ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

2016年の振り返り ~答えのない問いかけに対し、振り切れる直観を大事にしたい~

毎年思うけど、一年というのが短く、この一年間で何を成し遂げることができたのか、振り返ってみたいけれど、さほどないような気がしています。

こんな書き出しでいいのかな…。

 

ども、田口(@tagu_h1114_18)です。

 

2016年が終わろうとしています。

 

僕の部屋にはテレビもなければ、時計もない。雪囲いで窓の外を眺める事すらできない。

ただ少し、家は雪で囲まれ始めていて、これから冬本番だなって感じはする。今日の昼ごろ、山で銃声が聞こえたのは、誰かウサギでも獲ったのかな…って少しソワソワする。

いつも事務作業をしているガラスのテーブルの上には頂きものの柿の種と、カカオ65%くらいのチョコレート。最近ダウンロードしたアプリSpotifyで洋楽を聞きながら一人、久々にブログを書いてみている。

 

僕の家は年の瀬のかけらもない。

 

大晦日だろうが元旦だろうが今の僕には関係ない。

と思って、いつものように毛皮の鞣し作業にいそしんでいるけど、あの家ではこれから蕎麦を食うのかな…とか、酒でも飲みながら紅白歌合戦を見るのかな…って、気になったりはする。

だけど、僕には目の前にやることがあるから特別誘われなくても良いよ…って、少し強がったり。

おじいちゃんにも、動物占いにも「あなたは一匹狼だよ」と言われたのが妙に胸に沁みてきた今日この頃。

参考:山間地域に暮らすなら、"孤独を優しく抱きしめる"くらいが丁度が良い。|ひろろーぐ

※今年一番のお気に入り記事です。

 

さてさて、前置きが長くなったので本題に戻ります。

 

毎年のことだけれど、一年間の振り返りをします。ラインナップはざっとこんな感じ。

・大鳥民俗誌 大鳥の輪郭を刊行。

・地域おこし協力隊卒業

・大鳥音楽祭

・2017年の大鳥音楽祭に合わせて民俗パネル展示の企画

・山のものを採集できるようになってきた。

・山熊田―大鳥の山道復旧プロジェクト

・個人事業主として開業

・ネット通販ビジネスの下準備中

・手仕事を少しずつ…。(毛皮なめし・スプーン・フォーク・てんご・腰皮)

 

では、どうぞ。

 

2016年の振り返り

  • 大鳥民俗誌 大鳥の輪郭を刊行。

4月には民俗学の視点で僕の暮らす大鳥のことをまとめた”大鳥の輪郭”を刊行しました。

生まれて初めて書籍というしっかりとした形のものを作成したのですが、結構大変でした。イラストやDTPは協力してもらいましたが、文献リサーチ・取材・写真撮影・文章作成・編集・ページ構成を全て一人でやったので、かなりの作業量だったし、苦しかった。

でも、おかげで民俗学が好きになったし、大鳥のことをもっと深く知りたくなった。本ってこんな風に作っていくんだって、身を持って経験ができたのも大きかった。

8月からは一般向けに売り出したのですが想像以上に好評で、現在までで220部ほど売れています。みなさま、本当にありがとう。

今現在、予約分を除いて手元に一つもないので、増版を掛けました。1月中旬頃には出来上がると思うので欲しい方は早めにご連絡を。

参考:僕が大鳥民族誌を作った理由|ひろろーぐ

参考:【告知】大鳥民俗誌『大鳥の輪郭』を一冊1,560円(送料込)で販売します。|ひろろーぐ

 

  • 地域おこし協力隊卒業

地域おこし協力隊をきっちり3年間勤め、4月一杯で卒業しました。

僕の地域では協力隊としてやるべきことがあまり明確に決められていなかったこと、ムラ社会を理解できていなかったこと、自分自身が社会人としての自律できていないこともあって、慣れないうちは幾分かストレスを抱えたりもしました。

 

任期中に何度か辞めたいと思ったこともありました。

辞めると言っても、協力隊を辞めるだけで、地域には居たいと思っていました。

そのくらい”協力隊”という肩書は、地域の人から見られているし、地域の人によって思惑も様々で、振り回されそうになる事も度々ある。

地域おこし協力隊として自分で自分のやるべきことを見つけていないと、何しにきたのかわからなくなってしまうこと。

更には自分自身で”地域おこし協力隊とはなんぞや”という定義づけができていないと、地域の人の言うことに右にも左にもなびいてしまう。

も一つ、地域の人への理解を妥協すること。地域おこし協力隊だけど、基本的には地域で活動するし、その延長線上の未来を見据えて事業を展開するけど、「この辺はごめんだけど地域の人たち、見逃して…」という許しを自分で作る。

全てが思い描いた通りにはいかないから、多少変な行動をしたからといって、騒ぎにならないよう、少しずつ騒ぎを起こしておくのも大事かなと。

 

いろんな学びがあった協力隊。

だけど、結論として思うのは、協力隊業界では月並みな言葉だけど、自分起こしだということ。20代半ばそこそこの若者では、地域の”ホンモノたち”に太刀打ちできない。

現場から、共に汗を流す中からそんなことを感じ、自分がいかに偽物だったかを痛感し、鬱になりながら、地域の中で自分にしかできない役割、隙間を見つけてアタックし続ける。

そんな3年間だった。

この3年間は、僕にとってとんでもなく貴重な3年間であったし、大鳥の人たち、市役所の人たち、3年間を過ごす中で出会った庄内の人たち。出会えてよかったと思うし、同時に儚さも感じるけれど、それは一匹狼が故の性なのかと、粛々と思うのだ。

参考:地域おこし協力隊を卒業。熱が冷めないうちに本音や想いを書き留めておきます。|ひろろーぐ

 

  • 大鳥音楽祭 vol.2

昨年に引き続き、大鳥音楽祭を今年も無事に開催することができた。

ひとえに、大鳥在住の彫刻家であり詩人の嶋尾さんのお陰であるし、巷の地域おこし手段として講じられる地域おこしアートイベントとは一線を期す、強い想いと志が詰まったイベントに、スタッフとして協力してくれる若い人が鶴岡にいるということ。それが心強いし、本当にありがたい。

年々、組織らしくなっていって、規模が膨らむにつれて一人ではとても成り立たないんだなぁ…と感じる。

大地の芸術祭みたいな大規模イベントにはならないだろうし、しないと思うけど、マイノリティーの胸に深く突き刺すイベントにこれからもしていきたい。

参考:大鳥音楽祭ホームページ

参考:芸術は衣食住の延長にあるもの。そして、失われた力を呼び戻すもの。~大鳥音楽祭の主催者、嶋尾和夫さんにインタビュー前編~|ひろろーぐ

参考:大鳥音楽祭ができるまで。~大鳥音楽祭の主催者、嶋尾和夫さんにインタビュー後編~|ひろろーぐ

 

  • 山のものを採集できるようになってきた。

ゼンマイ採りを中心とした山菜取り。月山筍は一度しかいけなかったけど、来年はもう少し行きたいな。そして秋にはキノコ採りもした。天然のなめこやブナカノカ、ヒラタケ、マスタケなどを覚えた。

少しずつ、山を覚えていきたい。

自然とヒトとの距離感を忘れないでいたい。

 

  • 山熊田―大鳥の山道復旧プロジェクト

かつて繋がっていた大鳥―山熊田間の山道。山熊田から県境までの道は今も尚維持されているけれど、大鳥―県境までの道のりは藪だらけになっていた。

それをどうにか、復旧したくて地元の人たちと調査を始めたのが今年の春。春には正規のルートを見つける事ができなかったけれど、12月に行った時にはついに、正規のルートらしき山道を見つける事ができた。

来年には市役所に応援を貰いながら営林署に許可を得て、山道を作る算段で動いていきたいと思う。

またしても、お金にならない楽しい仕事が増えてしまった。笑

参考:【幻の塩の道を訪ねて…調査編②】大鳥―山熊田をつなぐ山道、二ノ俣沢~ニノ俣峠(山形-新潟の県境)までの道を見つけてきたよ!|ひろろーぐ

 

  • 個人事業主として開業

実は、田口は開業していました。屋号はアメヤと言います。

母の実家が山形県村山にあるのですが、そこの屋号がアメヤで、その屋号を使わせてもらう事にしました。

開業した目的は青色申告をしたいから。ただそれだけ。

手続きが税務署いって書類を提出し、庄内総合支庁にいって書類を提出してオシマイ。あまりにも手続きが簡単で、開業したって感じがしなかったな。

そのうちアメヤのロゴとか名刺も作りたいなーって思う。

 

  • ネット通販ビジネスの下準備中

来年から大鳥の地域産品を扱ったネット通販&民俗学の切り口でオウンドメディアを立ち上げる予定で、それに向けて準備を進めています。

サイトデザイン&作成は山形市内のパッケージデザインを得意とするデザイン会社さんにお願いして作ってもらっています。

地域でお客を獲得し、生産者の稼ぎに変えていくこと。地域を知ってもらった後のバックエンドをちゃんと用意すること。そして自分の稼ぎにも代えていくこと。

地域の維持を前提に、少しずつ変化していこうと思う。

春にはサイトを公開できると思いますので、お楽しみに。

 

  • 手仕事を少しずつ身に付ける。(毛皮なめし・スプーン・フォーク・てんご・腰皮)

今年に入って、やたらめったら毛皮を鞣す機会が多い。ロードキルのタヌキや、イタチなど、鞣しの練習しています。回数を重ねるごとに少しずつなめしが上達になっている感覚があって楽しい。

その他、木を彫刻刀で掘ってスプーンやフォークを作ってみたり、テンゴを作ったり、業者に鞣してもらった熊の毛皮で腰皮を作ってみたり。少しずつだけど手仕事を覚えていっている。

体で何度か反復したものは忘れない。それが長い目で見たときに武器になるし盾にもなると思います。

来年は雪国の必須アイテム、かんじきを作ってみたいと思います。

 

終わりに…

幸いにも僕の周りには親代わりと言っていいほど僕のことを心配してくれる方々がいらっしゃいます。

ろくなご飯を食べていないだろうと差し入れをくれたり、晩御飯をご馳走になったり、仕事を振ってもらったし…。

生き方の背中をいつも見せてくれ、ただただ楽しく過ごそうとする毎日。困ったとき、悩んだときには手を差し伸べてくれるし、相談に乗ってくれたりする。

そんな人に囲まれていて、本当にありがたいと思う。

 

だけど、相談する人によって、答えが分かれそうなもの、やってみないと未来が見えてこないものが僕の目の前に出てきているし、これからも出てきそうな気がする。

 

大概のモノゴトは2秒で判断できるけど、これはそうじゃない。

 

これを「うーん…」と頭で考えると、ろくなことが無いような気がする。

妙案を他人に求めてもいいけど、最後は自分に責任も何もかもが降りかかってくるから、いろんな思案を振り払って、自分の意志で前に出るしかないのかなって思います。

 

立ち止まっていても時間が無駄だから。

 

2017年は大変なことに頭を悩ませ、その度に振り払って前に進む。

そんな年になるのではないかと、思う。

 

せば、またの。

-セルフマネージメント