ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

【オンラインイベント 2021年3月18日】地域未来フォーラム-地域の未来をアップデート-を開催します。

2年ぶりに、地域未来フォーラムを開催します。

アップデートと名を打ってはおりますが、おおげさな改革論者ではありません。むしろ小さな提案というか、意思といいますか。地域自治の担い手が少なくなっているなかで、変化させていくべきものもあるだろう、これからも守るべきものがあるだろう、という話をしながらでみなさんと地域談義をしてみたいのです。

 

庄内というところは3つの大きな山と海に囲まれていて、天然のデカい要塞となっている。多くの場合、ヒトは陸を移動するわけですが、山が壁となり、庄内の外へ出ることがあまり多くない。僕なんかは庄内の外に行くのは月に1回もあるかどうか。冬はもっと少ない。で、地形的に庄内の内側に目がいきやすい環境になっている。知人2~3人を話せば共通の知り合いにいきつく、というのは庄内あるあるだそうで、内で過ごす時間が長く、消費も商売も内で済ますことが多いので、ラーメン屋のヘビーリピーターが続出しているのも納得。言葉(=方言)も基本同じ。共有できる価値と機会を多分に持っているという意味で、庄内という大きなくくりの共同体にみんな生きている、ということだと思います。山大が進めているスマートテロワールという活動もぜひ根付いて欲しいと思ったりして、ソーセージをパクパクしています。あれ、ウマいです。

 

とはいえ庄内も全国とおなじく高齢化&人口減少が進んでいて、地域の自治を担うプレーヤーが高齢化著しい。仕事柄、地域の方のお話を聞くのですが、地域の方々は若者たちへ待望&絶望論がありまして。「若い人に盛り上げてもらいたい。」「でも、若いのはいないのよね。」なんとかしたいけれどなかなかうまくいかない、と地域は悩んでいる。しかし、年配の方々の指揮に若者や移住者はしばしば驚き、距離をとっている現実もある。地域に人がたくさん居た時代の枠組み・運営方法をそのまま続け、降ろそうとしていること、参加を求めているのに丁寧な説明がない、など不満があったりする。

 

なんでかみ合ってないのかなーって考えて、そもそも親子関係の年の差での会話には無理があるのかとか、地域の当たり前≠若者&移住者の当たり前ということなのか、コミュニケーション不足なのかとか。

いろいろ考えるにつけ、一つには、若者に「私にまかせて!」という覚悟と行動が欠如しているのではないか、と思っていたりもする。地域が自分事になるには段階もあるし時間もかかるけど、ちょっとしたキッカケで自治が心に芽生えることもあるのではないだろうか。

このまま自治に背を向け続け、十数年後に自動的に新たに主導権をにぎったらば、今までと同じ、“あなた任せの自治“を繰り返してしまうのではないか、という一抹の不安がよぎります。自治の心を取り戻すことは難儀です。収入に殆どならないことをやるのですから。かく言う僕も一度、いろんなことを引き受けてパンクして、放棄しましたから。地域の全てを自分事になどできない。

では、そもそも自治とはなんなのか。どんな地域を理想として思い描いているのか。フォーラムの対話の時間でも話題の中に片鱗が語られたら嬉しく思ったりしますが、しかしまた、そういう根本的な問いを持ち、地域で活動しながら自分なりに見つけていくものなのかもしれません。

 

子育て世代のお父さん・お母さんは共働きだったりして、スポ少や部活などの見守り&送り迎えなど忙しくて地域のことは二の次、三の次になっているかもしれない。でも、子供は宝です。昨年は高校生や大学生とお話する機会が割とあったのですが、勉学や就職で都市へいくけど、「地域づくりの勉強をしたい。」「地域に関わる仕事がしたい。」「将来は庄内に帰って働きたい。」と言っている。そういう青年たちが育っている。行政ならびに民間での郷土を伝える取組みの成果が、出始めているんだなと思う。

大鳥に住んでもうすぐ8年になりますが、最初は地域の観光協会とか村づくりの理事や猟友会、消防団から始まって、地域運営組織の事務局をやったり、自治会長になったり辞めたりしてきました。僕の年代にしては地域との関わりが多い方だと自負していますが、8年の間、いろんなことで地域がメンドクサイと思うこともあったし、一方でよく教えてもらったとか、助けてもらったとか、楽しかった思い出もたくさんある。多くの時間を共にし、僕を育ててくれた。最初は時間の浪費だと思いながら手伝っていても、だんだんと楽しさがわかってくるものもあった。

 

そして、地域の人たちが少しずついなくなっていく。8年前からお世話になった人ももうすぐ80歳で、少しずつ色んな引退を意識していたり、会話の一端に引退がちらつくと、無性に寂しくなる自分がいる。地域に関わっていると、いつかきっと、そういう瞬間がみなさんの中にも起こると思う。だからなのか最近は、地域から来るいろんな求めに応じることがあまり苦ではなくなってきた。「田口が中に入らないと前に進まない」という案件が出てきたりすると、嬉しかったりする。

地域はこれから更に、加速度的に変化していく。そこに若者の意思を介在させていくときっと、自治の心を取り戻していけるような気がしている。

 

このフォーラムを開催するにあたり、自分の胸の内を書いてみた。老いも若きも地域社会を楽しく、主体的に参加できるように、と願っている。みなそれぞれ、どこの地域にいても楽しく暮らしたいと思っているはずだから。

 

2019年に実施した地域未来フォーラムのレポート

3月21日(木.祝) 地域未来フォーラム「地域多様性でいこう。」を開催。そして、僕も登壇します|ひろろーぐ

20年後に島民が全滅しないために仕掛け続ける合同会社とびしまの、したたかな地盤固め戦略と持続可能な自治組織への再構築。|ひろろーぐ

フットワークの軽さと懐の深さでヨソモノの意見も人も受け入れる地域づくり。住むのは難しくとも、いざという時に助け合える関係人口を目指して。|ひろろーぐ

地域おこし協力隊は責任と覚悟をもって受け入れる。それに、地域での地道な活動の繰り返しで応えていく。|ひろろーぐ

 

イベントチラシ

 

イベント概要・申し込み

【世代を越えて地域の未来を話し合う】

地域行事や伝統芸能、自治会 、消防団など、 集落単位で行われてきた活動は今、過渡期を迎えています。 年配世代からは 「 うちの地域はもうやる人が居ない 」 「 居る人で何とかやるしかない 」 という声が聞こえてきます 。 「 若い人がもっと積極的に関わってくれればいいのに 」と思いながらも参加しない若者たちに頭を悩ませている。 若い世代からは 「 時間が無い 」 「 仕方なく 」 「 意味わからない 」 という声が聞こえてきます 。 「 もっとこうした方がいいのに 」 と思いながらも、長く続けられてきた形を前に立ち尽くしてしまう 。

互いの鬱積した感情は無関心となり、 『地域づくり』『 地域暮らし』が 遠ざかってしまうのだろうと感じています。 このままでは良くないと感じている方は多くいるはず。

今回のフォーラムのテーマは 『 アップデート (=更新する) 』 という視点です 。 人口構成、働き方、価値観などが多様な今、 守るべきものを見つめ直し、新しい形を模索する時が来ているのではないでしょうか 。

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日時:3月18日(木) 13:30-16:00(13:15 OPEN) 参加費:無料 対象:地域づくりに関心のある山形県民 定員:先着30名

申し込み方法: 下記フォームよりお願いします↓↓

https://forms.gle/7nRmpVDKjmP8mFfX7

(※お申し込み頂いた方に当日のZoomのURLをお送りいたします。)

内容:

1《 話題提供 》 「なぜ、いま、 アップデートが必要なのか ?」 西直人氏

2《 トークセッション 》 アップデートが始まりつつある地域の話を聞いてみよう!

3《 対話 》 「地域のこれから」について 参加者どうしで話をしよう! (※内容の詳細は随時このイベントページにて更新していきます!)

 

※メインファシリテーター:西 直人 氏 <プロフィール> 東北芸術工科大学 コミュニティデザイン学科准教授 リードクライム(株)代表取締役

プランナー、ファシリテーター 。2006年、リードクライム株式会社を起業。主たる専門業務は、まちづくり・地域振興・観光に関するコンサルティングや計画作成、コンテンツ開発。住民参加型事業等のワークショップデザインやコミュニケーションデザインならびにファシリテーション。2016年、生活拠点を山形県鶴岡市にもかまえ、暮らし・仕事ともに山形庄内と東京のダブルローカルデュアルライフ実践中。

 

\こんな方、ぜひご参加ください!!/

地域組織役員・事務局、地域づくりに関心のある高校生・大学生、地域の若者、 地域おこし協力隊、行政地域づくり担当職員、などのみなさまぜひ~!

お問合せ: sukedachishonai@gmail.com (Sukedachi Creative 庄内

※イベントの更新情報はスケダチのFacebookページよりご確認くださいませ!

 

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主催:山形県 企画・運営:Sukedachi Creative 庄内

※Sukedachi Creative 庄内(スケダチクリエイティブショウナイ)とは、地域おこし協力隊OB、青年海外協力隊OGなど、現在進行形で庄内の各地に暮らす人たちによる団体です。 表示を縮小

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