ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

風景を日々消化するということ。~生活に溶け込んだ里山と離島の原風景~

2015/01/29

どうも、飛島に一泊二日してきて、トビウオの唐揚げに舌鼓してきた田口(@tagu_h1114_18)です。

 

『絶景スポット』を求める人が増えているのは、多くの都市に住む人にとって自分の生活圏内に心落ち着かせる風景が少なくなってしまったからだというのも一つの理由として上げられるんじゃないかな。

 

僕が大学生の時はヨットで鎌倉や江ノ島にはよくよく行っていたし、富士山のご来光も見たことがある。山梨のほったらかし温泉から見る風景も最高だった。

西日本を中心に色んなところを旅してきたし、その度にその場所の風景は強く思い出に残っている。

中でも大好きなのは、山口県の角島という島で、本島から島に行くまでが一本の道路でつながっていて、車で走らせていると左右が海で広がり、気持ちいい海風が頬に当たって本当に気持ちいい。

 

旅する気持ちというのは、美味しいものが食べたいとか、素敵な風景をみたい、暖かい人の心に触れたい…。そういった非日常を掻い摘んで体験したいがための欲望なのかもしれない。

 

しかし、絶景・日本の原風景なんて言われる場所に住んでいる人たちは、外から絶景を求める人たちとはまた別の感性で風景に触れている。

 

普段は里山である大鳥に住んでいる僕ですが、とあるキッカケで酒田市にある飛島という離島に行きその島で見たモノ、島民と話す中で、その地に暮らす人×風景との関係がハッキリと見えたので綴っていきたい。

 

日常の中に存在する飛島の絶景。

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山形県酒田市の港からフェリーで約一時間半。

人口270人の小さな小さな島、飛島がある。

 

近年ではとびしま未来協議会という官・民・学で飛島の未来を創造する組織が精力的に活動していたり、しまかへというカフェができたり、Iターン者が今年2人来たり、緑のふるさと協力隊がいて、地域づくりにも力が入っている地域。

 

とは言え、特産物のトビウオを始め、岩のりや海藻など、海を中心とした産業で成り立っている島であり、生活の中心にあるのは海。

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勝浦の港。漁港。旅館など…。いい感じの高台から撮ることができました♪

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島の裏側で撮った写真。小雨だったので少々素敵な写真しか撮れませんでしたが、本当に良い場所でした。恐らくここは観光客しか行かないところ…。

 

早朝3時から漁に出て、獲ってきたトビウオをせっせと干す…。ちょっとした買い物に出かける。郵便局に行く…。島民の人たちの日々の暮らしの中で、海を見ない日はおそらく無い。

島民の人たちは特に意識していないと思うが、毎日本当に素敵な景色を見ている。

「意識したほうがいいよ。本当に絶景だから!」なんて言うつもりもないし、僕もそこに住んだとしたら同じようになると思う。

 

日常の中に存在する大鳥の絶景。

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鶴岡市内から車を走らせること約一時間。

山奥とも言える僕が住む大鳥にも、海とは違った絶景が広がっている。

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湖に浮かぶ木々たち。

参考:こんな風景が一ヶ所でまとめてみれる場所が日本にあったのか?!秘境感がハンパない!!!心を揺さぶる大鳥の絶景7選|ひろろーぐ

 

大鳥の人たちは朝4時に起き、山に出かけ山菜を採って来る。山から戻ってきたらゼンマイをもんだり処理したり…。畑仕事や田んぼ仕事。草刈りなど。日々生活をする中で、山や川の絶景に触れている。

 

大鳥川、大鳥池・松平山、朝日連峰、ブナの原生林…

 

旅で訪れたら写真パシャパシャものですよ。ほんと。

思わず恋しちゃう風景じゃないかなと思っちゃったりします♪

 

とは言っても、僕は毎日この絶景を見ているので、いちいち感動して立ち止まって見てはいられない。

自分にとっての非日常をフレームに収め、思い出の一枚にすることは往々にしてありますが、住んでいる人にとって絶景をフレームに収めることにはあまり関心はない。

 

これは別に「景色が素晴らしくない!」と感じているわけじゃなく、日常の中で景色を消化するものだからなんですよね。飛島に住む人たちにとってはそれが海も同じような存在だと思う…。

 

毎日が絶景だと、風景さえも消化する。

壮大な・綺麗な景色を見に行くこと非日常体験として旅行やツアーで組まれることも多々ありますが、元々は地域住民が日々消化しているもの。

 

大鳥に行けばサルが鳴き、鳥がさえずり、川の流れを見て、風で揺れる木々を見る。

飛島に行けば、海は青く、ウミネコはカァーカァーと鳴き、たまに猫ちゃんが顔を出す。

毎日がその繰り返し…。

生活・仕事の中に、バックグラウンド的にそんな景色・音があり、それを五感で堪能している。

 

景色を眺めながら話す、景色を眺めながらお茶を飲む、景色を眺めながら休憩する…。

そうやって目の前にある自然を感じて自分の満腹中枢を満たし、満足したらまた仕事や生活に戻っていく。

 

田舎だから、自然に囲まれているからといって、全然暇じゃないし、時には人との衝突もあるのでストレスもたまる。田舎に住んでいたって毎日穏やかなわけじゃない。当たり前のように毎日波がある。

その当たり前の感情の波の中で、ふと見上げたときに見える星空や、壮大な景色など、何も語りかけてこない景色に身を委ね、活力に変えたくなるのかもしれません。

 

僕は一人でギターを弾き語っていることがありますが、その場所が公園でもダメだし、家の中でもダメなんですよね。家のすぐそばにある川沿いが良いんですよ。※別にギターは上手くありません。笑

単純に「そこでやると気持ちいいから…」というだけの理由なのですが、やっぱり景色や川の音も一緒に楽しみたいんでしょうね。

 

嬉しい時、悲しいとき、悔しい時、そんな時にも風景を消化したくなることはありますが、日常の中で絶景が当たり前のように存在しているからこそ心のバランスが保ちやすく、田舎には穏やかでいい人が沢山いるのかもしれません…。

地方に移住したいという人の理由が「自然に囲まれて生活したいから」ということであれば、それを翻訳すると「風景を日々消化したいから…」なのかもしれませんね。

 

せば、またの。

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