ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

2018年の振り返り

ども、田口(@tagu_h1114_18です。

早いものでもう一年が終わり。

我が家にはテレビもなければ餅をつくわけでもなく、年末感は薄い。外では帰省した息子娘たちの車が留まり、家の中は明るい。日中に降り続いた雪は少し収まり、除雪チームの人たちは少し安堵しているのだろうか。

10代の頃は夜更かしをして年末のテレビを見て、友達といく初詣が楽しみだった。メールが送れないとか、電話が混んでる…とかっていいながら「あけおめ!」と言い合って、神社境内の焚き火で温まりながら、いい加減寒くなるまで知り合いを探したり、なんでもない会話をしたりしてた。それは、懐かしいのでも淋しいのでもなく、今の自分の暮らし向きは大きく変わったなぁってフツフツ思う。大鳥に来てから、いつの間にか「年末も1日は1日」という暮らし向きになった。住む場所が変われば暮らし向きも変わる。

テレビが無いとはいえ特番は気になるもので、youtubeを探して何時間も眺めているのも僕のお正月の過ごし方。ダウンタウンの「笑ってはいけない」シリーズも見慣れてきたけどつい見てしまうし、田原総一郎の「朝生」も見る。ネットの時代と言われて久しいけれど、テレビはやっぱり面白い。ストイック風な自分に酔っていたとしても、好きなモノは好き。

2019年のお正月は、普段読まない本を読もうと決めた。タイトルは恥ずかしいので伏せておくけれど、『伝わる文章の書き方』とか『思考を整理しよう』みたいなやつ。

年頭会とか、新年会とか、雪下ろしとか。不可抗力な時間もあるけれど、正月は少しゆっくりしたいと思う。

少しゆっくりするための今年最後のブログは一年の振り返り。毎年のことですが、自分のやってきたことを振り返ってみたい。

 

2018年やったこと

・ぜんまい小屋制作

昨年から準備を進め、今年の6月に地域の協力を得ながらぜんまい小屋を建てた。人々が暮らす山間部のさらに奥の山で、ぜんまい小屋という簡易的な小屋を拠点として山菜のぜんまいを採集してきた文化が大鳥にあった。縄文時代の家を彷彿とさせるその小屋は、山奥にある木や柴、蔓などの資源のみで作られ、合理的かつ感覚設計された形をしている。雪が8mも積もると言われる場所で、その姿がすっぽり隠れてしまっても潰れない。支柱の木の根が腐るまで、およそ8年間は大丈夫なように出来ている。シンプルかつ小さな小屋だが、細かいところまでよく出来ている。

つい12年前にその最後のともし火が消えてしまったが、その小屋を建てる技術や知恵を記録することができた。実物はタキタロウ館の敷地内にあるので、気になる方はぜひ来春に見に来てください。

 

・おおとりノートvol.2作成

大鳥てんごの通販で購入してくれた方限定で同封しているおおとりノートの第2弾ができた。特集「ぜんまい小屋の暮らし」とし、小屋の建て方やぜんまい稼業の日々のこと、インタビューにぜんまいレシピなど。大鳥のぜんまい文化を一挙に紹介した。ぜんまいが生える地域はあまたあれど、ぜんまい小屋を建て、ぜんまい採取を暮らしの柱にしてきた地域はそう多くない。奥の奥まで出かけ、断崖に生えたぜんまいを命がけで採っては干し、何百キロもの乾燥ぜんまいをムラまで背負い降ろす。地元の人たちの、嶮しい登山をものともせず、藪をかきわけて何十キロものぜんまいを背負う気力と体力にはただただ恐れ入る。

 

・大鳥てんごの取材記事など

今年から、地域の食を中心とした取材を始めた。

イタドリの油炒め -大鳥流のシンプル調理-「だけどほんとは唐辛子を入れるといいんだぜ。それにつゆの味を沁みさせると良いってな」三浦勝子さん

バンケ味噌 -春一番の山菜料理。ご飯にのせて召しあがれ- 工藤定子さん

赤ミズの味噌汁 ―涼しい日はスタンダードな味噌汁で、蒸し暑い日は冷や汁で。― 工藤あき子さん

トンビマイタケの混ぜごはんと天ぷら ― ブナの木の香りを味わう ― 工藤朝男さん

わらびの味噌汁 -味噌は3年ものが一番うめぇって言うっけっちゃな- 工藤静代さん

 

・古文書講座に通い始める

今年の春から古文書の講座に通い始めた。というのも、民俗調査を続けていると、どうしても明治や江戸期の資料に行きついてしまう。現代語訳があればいいけれど、書き下しでさえもよくわからない…、ということがよくあった。たまたま、春に知り合った方が元大鳥中学校の先生で、鶴岡市内で古文書読解の講座を担当していて、さらには「今、講座で大鳥に関連する資料を読んでいるよ」と誘ってもらったので、それ以来参加している。自力で読むには程遠いけれど、昔の文章に触れるのは楽しい。博物館で展示された古文書をみるのも楽しくなってきた。

 

・桧原ニノ俣峠越え山道の復元

3年越しにようやく復元した桧原二ノ俣峠越山道。これは、山形県鶴岡市大鳥と新潟県村上市山熊田集落を繋ぐかつての山道。大鳥で暮らす70代、80台の方々が若いころは"マタギの交流"と称し、互いの村を行き来していた。それより以前は田んぼを手伝ってもらったり、嫁をもらったり婿を出したり、神社に通ったり…と、交流・交易を重ね、助け合ってきた。昔は塩の道だったんじゃないか?とか、大鳥の先祖は山熊田を通ってきたのか…?というアイデンティティーに深くかかわる説も出てきたりと、地域で絶賛盛り上がり中。来年秋には「大鳥から山熊田まで歩こうツアー」をしようと思っています。

 

・民俗博物館や調査旅行

今年いった博物館(順不同)

キムンカムイ展(秋田県立博物館)、東北歴史博物館(宮城県多賀城市)、きのこワンダーランド(千葉県立博物館)、国立歴史民俗博物館、富岡製糸場(群馬県富岡)、奥三面縄文の里(新潟県村上市)、国立科学博物館、山居倉庫(山形県酒田市)、からむし工芸博物館(福島県奥会津昭和村)、東田川文化記念館(山形県鶴岡市)、横浜歴史博物館、ただみブナと川ミュージアム(福島県奥会津只見町)、南会津博物館(福島県南会津町)、雪の里情報館(山形県新庄市)

今年はよく博物館に行った。特に印象に残っているのは、福島県奥会津只見町のただみブナと川のミュージアム。ここには木流しの展示や、堰普請の展示があって、面白かった。県立とか国立レベルでは絶対やらないようなマニアックな展示が自治体レベルの博物館にはあるから好き。来年もいっぱい行きたい。いつか大鳥にも博物館を作りたい。

 

・自宅の引っ越し

今年の9月に、大鳥の中で引っ越しをした。今までよりかなり家が大きくなったので、人がたくさん泊まれるようになった。と言っても布団は4セットしかないが。そして、屋根も広くなったので、雪下ろしの量も増えました。家を守れるよう頑張ります。屋内も少しずつ改装していて、切ったり叩いたり、結構楽しい。家に電動工具が増えてきました。

 

 

書けないけれど、今年は本当に色々あった年だった。生きてれば色々あるんだなって、改めて思う。

でも、トボトボとでも毎日歩みを辞めず、興味の惹かれる方へ進んでいきたい。

2019年もみなさんにとって良い年でありますように。

 

せば、またの。

-セルフマネージメント