ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

オーストラリアと山形県のド田舎が夢の共演?!~オーストラリアでワーホリしているブログ仲間と、互いの新天地での経験について赤裸々に綴ってみた~

2015/01/29

コラボ記事なんて初めて書きます。

2012年12月にHibilogを書いている@Yu Aoki さんのWordpress立ち上げのワークショップで出会ったブログ仲間の前原くんと、ちょくちょくSkypeでブログの相談とかをしているのですが、その話の中で「コラボ記事とか面白いかもね?!」と話を吹っ掛けられたのがキッカケ。

 

彼はブログ運営(あしたはもっと遠くへいこう)など、働く場所を選ばず稼ぐ手段を模索しながら最終的には高城剛さん的なデュアルライフを目論む27歳。僕と同い年。

脱サラ後、超高速で150万円を貯金し、フィリピンへ語学留学⇒一旦帰国(自宅警備員)⇒そして現在はオーストラリアでワーキングホリデーをしています。

ブログを同時期に始めたこともあって、同士であり、ライバルでもあるのですが、結構面白い記事書いているんですよね、彼。

ワーホリに行っているのに恋してしまった台湾人をブログで紹介したり、告白したり。  オーストラリアに住んでいるのに、オーストラリアに住みたくない理由を並べてみたり…

結局のところ何しに行っているのかよくわからなくなっているけど、ブログは面白いので、充実した日々を送っているのでしょう。笑

 

本題に戻りますが、僕は日本の超山奥で若者が自活できる可能性を探ることを主なテーマにしてブログ運営していますが、かたやワーホリ生活のブログなので、同じテーマの記事を書くなんて少し無謀な気がしましたが、考えてみればそうでもありませんでした。

僕たちは東京で出会い、都会育ちだったけど、同じ時期にお互いに思い切った進路を取った。今生きている場所は全く違うけど、その地で何を経験し、どんな可能性を感じているのかを、同じ27歳という視点で赤裸々に綴っていければいいんじゃないかな。

※前原くんのコラボ記事は巻末にリンクしますので、オーストラリアにもゼヒ飛んでみてください!

 

僕は2013年5月に総務省の地域おこし協力隊という制度を利用して山形県鶴岡市というところの山奥に移住しました。

理由を語ればかなり長ったらしくなるので、以下のリンクを参考にして貰いたいのですが、
誰にも言っていない、僕が地域おこし協力隊として山形に移住した本当の理由。 | ひろろーぐ

簡単に言えば…

借金1,000兆円、超高齢化社会になっていく超ヤバイ日本でこれからを生きていく為に、海外サバイバルする力or自然に近い場所で衣・食・住を中心とした生きる力が絶対的に必要と思ったから偶然な出会いで、里山の自然の豊かさに触れ、田舎に行くことを決意しました。

今思い返しても「よく思い切ったなぁ~」と少しニヤニヤしながらも、横浜から移住してから初めて知ったカルチャーショックや発見がありましたので、僕の取り巻く環境の変化をご紹介できていければなと思います。

超自然豊かな里山。

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ここが、僕が住んでいる地域です。

川は澄み切っていて、橋の上から魚が泳いでいるのが見えるし、春になれば食べられる山菜が道端に生えている。

山から流れてくる雪解け水はめちゃくちゃ美味しいし、野生のウサギやたぬき、クマなど、天然の動物園が広がっている。

資本主義社会に置き換えてみるとするならば、小銭がその辺に落ちているようなものです。

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夏の夜はホタルや、満点の星空を見ることができる。

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「となりのトトロ」にこんな感じのシーンありましたよね?

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日本の原風景がそのまま残っていて、清流を眺めながら深呼吸をするだけでちょっぴり幸せな気分になります。

田舎=何も無い…は本当だった。

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正確に言えば、都会にあるものが身近に無いといった方が正しいのかもしれません。

僕の住む地域には旅館が2軒、商店が2軒、以上です。

一番近いコンビニやスーパーまでは車で30分。ヤマダ電機みたいな大型の電気屋さんなんて、未だに「どこにあるの?」って感じです。本屋もカラオケもありますが、全部車で1時間。飲み屋もいきたいけれど、代行運転を頼むと一回7,000円と、飲み代より高くついてしまう。気軽に行ける距離ではありません。

だから、ガジェットや本など、わざわざ買いに行かなくてもいいモノはアマゾンでドンドン買います。勿論、クロネコも郵便局も来てくれますよ!

 

ネットは超サクサク

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標高300m級の山奥ですが、光回線が通っています。

しかも、ネットを使っている人口は都会に比べ圧倒的に少ないので超サクサク。

これは死ぬほど有難い!

さすがにWi-Fiまでは今のところありませんが、天気の良い日に川べりに座ってPCで作業できるのが最高に気持ちいい。

 

おすそ分けの文化

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おすそ分けしてもらった里芋♪

田舎に住むと、ご近所さんから野菜やご飯を頂くって良く聞きますよね。

 

本当です。

 

夕方、仕事から家に帰ると、玄関に大根や漬物が置いてあることがあります。

「作りすぎたので食べて♪」みたいな感じで、ごはんを持ってきてくれることもあります。

本当にありがたい限りで、頂いたご飯をモグモグしながら田舎料理を少しずつ体が覚えてきています。

コミュニケーションをはかるツールとして、都会では情報だったりプレゼントだったりしますが、田舎ではおすそ分けなのかなと思います。

 

支出が減った!時間が増えた!

山奥にいるので、スーパーへ食材を買いに行くのも週一回ぐらい。

しかも、山には食材もあるし、田んぼや畑で作物を作っていればあんまり買わなくても普通に生きていきます。食材だけで言えば、月に10,000円もあればお釣りが来るくらい。

携帯代とかは変わらないけど、飲み代とかがかなり減りましたね。

以前、一ヶ月の家計簿を算出した記事を書いたのでそちらも参考にしてみてください。
里山の家計簿~里山暮らしは支出の引き算~ | ひろろーぐ

また、東京で仕事をしていた時は月~金まで、朝8時半~夜8時までみっちり仕事し、帰ったら本を読んで寝るだけ。予定は週末に押し込んでいるような状態だったので、やりたいことにも中々手をつけられない状態・・・。

こちらにきてからは自分に使える時間がかなり増えました。

大体夕方4時には仕事が終わるので、そこからブログを書いたり、DIYをしてみたりと、日々試行錯誤ですができることから始められています。

隣近所の距離もそこまでに近くなく、騒音もそこまで気にしなくていいので結構気楽です。

 

支出を減らす方法の探求

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耕作放棄地や休耕田もあり、恐らく無料で貸して貰えるので今年は米つくり・野菜作りをする予定です。

さらに、山には山菜や栗・クルミ・キノコなどの色々な食材が落ちています。国有地であればいくら取って来ても無料なので有難く頂くことにします。

さらにさらに、今年は狩猟免許もとれ、晴れてハンターになれたので狩猟が出来る期間になればウサギやカモ、ヤマドリなどを獲って食べることも可能。簡単ではありませんが、技を磨いていきたいと思います。

 

また、DIYをできる環境に恵まれています。

自分ではどうにもならないパソコンとかテレビとかはさすがにみんな買うけど、簡単な椅子とか机とか、小屋とかは木がそこら中に生えているので作れるものは自分で作ってしまいます。

僕自身も地域の人を見習って、エコストーブ小型太陽光発電装置PPバンドかごなどを自作してきました。身の回りの物を自作できると必然的に支出が減っていきます。今年は小さな家を作ってみようと計画中…。

自分で作物を作ったり身の回りのモノを作ったりするのは結構楽しいし、余計なモノを買わなくて済むので一石二鳥なんですよね収入を増やすのは結構大変ですが、支出を減らすことはそんな難しいことでは無いように思えます。

 

仕事も無くはない。ただし、表には出てこない…

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吊り橋の修理

「田舎には仕事が無い。」と言って移住を諦めたり、田舎から都会に出ていくケースはかなり多いと聞きます。

でも、実際に住んでみたら、仕事は普通にありました。勿論、雇用の数も種類も都会に比べればはるかに少ないですが…

僕の住む地域でも、土建屋さんがあるし、自然体験学習施設があって事務方もいるし給食を作る人もいる。郵便局もある。山に入って山菜やキノコを採って販売してもいいし、農業も小規模だけどできなくはない。

年金暮らしをしていてもおかしくないような年齢の人たちがそういうところで未だに働いています。

 

都会ほど稼げないとは思いますが、仕事が無いのは間違い。

恐らく「仕事が無い」と言われる理由は、ネットで探しても求人情報が出てこないから。

こういう地域では多くの場合、「人手が足りない」とか「新しく誰かを募集しよう!」となると、身内からあたります。なぜなら、知っている人だと安心だし、間違いないから。

あと、インターネットを使える人が少ないのも一つです。

田舎の人はおしゃべり!?

仕事柄、地域の人と密接に関わるのですが、仕事でもプライベートでも地域の人に会えば『どこで何をしていたのか』を聞かれることは日常茶飯事。実際に活動しているところも見られています。自分が活動していることの話が巡り巡って、思いがけない人から話を振られることがある。話の広がりの速さには驚かされるばかりです。

つくづく「悪いことはできないなぁ~」と思いつつも、僕の良くない噂がちょくちょく耳に入ってくるのですが…笑

逆に自分が頑張っている姿を見てもらっていたり、誰かに喜んでもらえたりするとその話題が地域に広がっていきます。いわゆるクチコミですね。

新規事業で、冬季限定お茶飲みサロンというのを昨年12月から月一回開催し始めたのですが、12月より1月の参加者が増えていたのは明らかにクチコミでした。

地域の人にとって良いことや、新しく何か仕掛けようと思ったら、興味ありそうな人に予め情報を流しておくのはかなり有効なんじゃないかと思います。

 

限界集落に若者が住むのは孤独かも…

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サラリーマンの時は気の合う仲間としょっちゅう飲みに言っていました。「それしかやることないんかい!」というくらい…。

今、僕が住んでいる地域は65歳以上が70%以上で、20代は僕1人。

日頃、すれ違うと手を挙げて挨拶をしたり、声をかけ合ったりするので淋しくはないのですが、バカ騒ぎしたり、時に真剣に語り合えるような同年代の仲間が近所にいなく、物足りなさを感じる時もあります。

今の仕事は夕方4時には終わるのですが、終わってからもパソコンに向かっているのも、モノづくりしているのも、勿論やりたくてやっているのですが、孤独の裏返しなのかもしれません。

 

実は過去に、同じような感覚を味わったことがあります。

元々高校までは大阪に住んでいて東京にある大学へ進学した時も、一年目は気軽に話せる友達もいなかった。体育会ヨット部というめちゃくちゃ時間を拘束される厳しい部活に入ったのも、振り返ってみれば孤独を感じる時間を埋めたかったのかもしれません…。

どこで見たかは忘れましたが、田舎への移住の決意を後押しする要素が3つあると言われています。

 

家・仕事・仲間

 

これ、かなり共感します。

協力し合える仲間や、同じ苦しみを分かち合える仲間がいるといないとでは全然違う。

だから僕の住む地域で勝手に移動居酒屋も始めたし、それで地域の人と交流する機会もできた。いずれは外の人も集まれる場所も作って、一人でも二人でも仲間が増えていけばなぁ~と思います。

 

まとめ

3.11以降、循環型社会とか、自然エネルギーが叫ばれるようになってきていますが、昔から小さい形で体現してきているのが里山だということに気付かされました。

土に種を撒き、水をやり育て、収穫をして調理しお腹に入る。排泄したら肥料として土に返す。という循環が一年かけて行われている。

「持続可能な社会を目指そう!」なんて言葉が生まれるずっと前から、循環型の生活を里山では体現してきていました。

 

だからと言って昔の生活に戻るのは現実的ではありませんが、お金ばかりに頼らず身近にあるモノを最大限利用させて貰って生活するというライフスタイルも全然ありだし、問題なく暮らしていけるじゃないかと思います。(僕はこれを自らで体現しようと日々、活動しています…)

今は技術も発達しているし、藤村靖之さんの月3万円ビジネスや伊藤洋志さんのナリワイを作るなど、新しい田舎暮らしのスタイルも広まりつつあります。

 

地方は特に人口減少や少子高齢化、空き家・空き地の増加など抱える問題が多いですが、時間をもて遊んでいる田舎暮らしの師匠が沢山いて、家ももしかしたら格安で借りられるかもしれないと思えば、今すぐにでも田舎に住みたい人にとっては追い風なのかもしれません。

インターネットのお陰で、働く場所・住む場所さえも制限なく決められる時代になったからこそあえて自然の近くで暮らしてみるというのも一つの選択肢なのかもしれませんね。

 

今回のコラボ記事に関して : 『あしたはもっと遠くへ行こう』管理人@まえちゃん より

まず今回、田口くんとこうして一緒にブログで合同企画をできたことを嬉しく思います。振り返れば、彼とはHibilogの青木さんのブログを開設するワークショップで出会いました。

同い年だし、先にぼくが行きたがっていたフィリピン英語留学も大学時代に経験済みの彼。当時は2人とも海外志向で同じ方向を目指していたぼくは、彼の行動にすごく注目してました。

しかしそんな彼がフィリピン英語留学とワーキングホリデーをやめて、山形県の田舎で地域おこし協力隊に行ったとブログで知った時は、「え?ウソォ!?」と心底驚いたことを覚えてます。

でも逆にぼくも海外に行かなかったら、同じように日本の田舎を選んでいたかもしれません。

 

その理由は田口くんも書いているように

借金1,000兆円、超高齢化社会になっていく超ヤバイ日本でこれからを生きていく為に、海外サバイバルする力or自然に近い場所で衣・食・住を中心とした生きる力が絶対的に必要と思ったから。それから、偶然な出会いで、里山の自然の豊かさに触れ、田舎に行くことを決意しました。

ということだからです。

 

ぼくらの世代はまわりにモノがあふれて、非常に恵まれながら育ってきました。

でも10年、20年、30年先の未来はぼんやりとした不安であふれてます。

年金だってもらえそうにないし、会社だって定年まで働けるか不安。

日本経済だって中国に抜かれて第3位だし、さらにこれから順位を落としていくのは十分有り得る話です。

 

『Always 三丁目の夕日』という昭和の高度経済成長をモデルにした映画がありましたが、ぼくらの世代は『逆・Always 三丁目の夕日』だと言えます。

モノはないんだけど、今日より明日は確実に良くなっていくと信じられたのが昭和なら、モノはあふれているけど、今日より明日が良くなっているのか全くわからないのが今の時代じゃないでしょうか?

 

だからこそぼくは今田口くんのやっていることに惹かれます。それは彼が自分ができることをずっと増やしていっているからです。

エコストーブも作れるし、太陽光発電や水力発電にも挑戦してる。免許をとって狩猟もできるようになってるし、今年は自分の手で家を作ったり、農業もすると言うんだから目が離せません!!

何よりそれを田口くんが本当に楽しそうにやっているのが、ブログを見ていてぼくも楽しいです。

おカネはなくなるかもしれないし、マイホームも地震で壊れるかもしれない。でも自分で家を直せたり、野菜を作れるっていう技術は決して消えません。そして外からエネルギーを買うばかりじゃなくて、里山や自然にあるもので賄ってみる。

実はそういう生き方のほうが、いざという時に最強なんじゃないかと思います。

 

とまあ、でっかい話になってしまいましたが、単純に言えば楽しそうなんですよね、彼の暮らしは。東京や横浜だろうが、オーストラリアのシドニーやメルボルンであっても、モノを買う暮らしはどこに行っても変わりません。

おカネを持っていればその分いろいろ買えるから、みんな頑張って働こうっていう暮らしです。

でも彼の暮らしは自由度が高くて面白いと思います。カネがなくて買えない?じゃあ作ればいいじゃん!そんな生活が見ていて面白いです。

もちろん孤独だったり、田舎の人の口の悪さに悩まされるてるのも知ることができて驚きましたが、彼なら仲間を増やして、新しい田舎暮らしのモデルを作ってくれそうで期待してます。

ぼくも大企業や公務員という生き方は否定しませんが、ぼくらのようなレールから外れた生き方を認めてほしいと思います。偏見を持たれず、いろんな生き方があっていい中で、ぼくらの生き方がその中の立派な選択肢として認められることを願ってます。

 

前原くんの記事はこちらから読めます!僕も寄稿させていただいたので、ゼヒゼヒ読んでみてください!

初コラボ記事!山形の田舎で地域おこし協力隊をしている同い年のブログ仲間と、新しい生活を選んだぼくらの経験を赤裸々に書き合ってみました。 | あしたはもっと遠くへいこう

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