ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

里山の家計簿~里山暮らしは支出の引き算~

2014/06/07

里山に住み込んで5ヵ月になりましたが、ここにきて驚くべき発見がありました。

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都会でサラリーマンしていた頃より、支出が4割も減ったのです。

これはリアルな話ですが、僕が東京で勤めていた時は月25万貰い、ボーナスも年間で2か月分くらい貰っていました。
入社1~2年目の若造が、年収にして額面350万も貰っていました。

そこから税金やら組合費だのが引かれるので実際は300万弱程度でしたが…

平均して月に10万程使って飲みにいったり本を買ったり、たばこを買ったりしていました。

例えば2012年12月に使った金額の内訳はこんな感じ。


【都会での一ヶ月の生活費】

生活条件:実家暮らし…朝ご飯・晩御飯は基本的に家。
       光熱費・水道代・ネット代は親が支払い。

食費(単純な外食・缶ジュースなど)  3,820円
会社昼飯(読んで字のごとく) 9,330円
飲み代(居酒屋などで飲み食い) 34,200円
自己投資(本・セミナーなどの参加) 10,000円
娯楽費(近所の温泉など) 9,000円
日用品費(文房具・クリーニングなど)  7,600円
交通費(定期区間外のお金) 7,350円
通信費(携帯代) 9,000円
タバコ代 4,840円
その他出金 8,000円
支出合計 103,140円

飲み代ハンパないですね♪笑

単純に人と話をするのが好きで、人に関われるところに発生するお金には暇がないって感じでした。

反面、服とかは全然買わないんですね…笑

んで、残りのお金の10万円くらいは基本的に貯金していました。


それが、5月から地域おこし協力隊になり、分かり切ったことでしたが収入は月々15万円となりました。

手取りにすると13万円くらい…

支出面では、初めは生活品を揃えたりしていたのでそれなりにお金は掛かっていたのですが、普通に暮らせるようになって落ち着いたら、生活費が4割下がっていたのを実感。


【里山での一ヶ月の生活費】

生活条件:一軒家に2人暮らしで光熱費などは折半(もう一人の協力隊と共同生活)
       車は市役所から借りている。
       家賃は市役所が支給してくれている。

計算は大まかですが、夏場はリアルにこんなもんです。

食費(生活) 10,000円
食費(外食) 5,000円
タバコ代 6,600円
ガソリン代 15,000円
日用品費 3,000円
通信費(ケータイ) 9,000円
通信費(光ケーブル) 5,000円
自治会費 3,200円
電気代 2,000円
ガス代 500円
水道代 1,500円
支出合計 60,800円

これはあくまで夏場の話で、冬場には車にスタッドレスを履いたり、ガス代は都会よりも全然高くなります。


とはいえ、電気・ガス・水道・ネットを自ら払うようになりながらも、なぜこんなにも支出が減ったのか…というところになると思いますが、それは地域おこし協力隊だから!という部分も否めません。

というのも、住居費と車の維持費、車の保険関係は払っていませんので…


しかし、それを抜きにしても、都会に住んでいた時よりも支出が4割も減ったのには3つの理由があります。

それは、

① 自然の恵みを利用する

② 地域コミュニティーの支え

③ お金が落ちる仕組みが殆ど無い

という理由です。


一つずつご説明していきますと…


① 自然の恵みを利用する

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里山は本当に自然が豊かです。自然が無ければ生きていけないくらいに恩恵を受けることができます。

  • 山の雪解け水を引いて、生活用水、田んぼ用水に出来る
  • 山から山菜(ワラビ・ゼンマイ・キノコ類)が採れる
  • 薬草を拾えば煎じて飲める
  • 山から木の実が採れる(トチノミ・クリ・ブナの実など)
  • 川には川魚がいる(イワナ・ハヤ・ヒメマスなど)
  • 田んぼ、畑で作物が作れる
  • 木を切って、薪としてエネルギーに変えられる(薪ストーブなど)
  • 冬季は狩猟でウサギ・クマなどの肉を食べれる可能性がある。(狩猟できる数は決められていますが…)

これだけのモノを自給することができます。※田んぼ・畑は勿論持つ必要がありますが…

つまりは食費やエネルギーという面で、大幅に支出を削ることが出来るのです。

尚且つ、自分の目の前で作られている・生えている食料という安心感も抜群♪


② 地域コミュニティーの支え

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里山では、集落単位に自治会組織があるところが多いと思います。

僕の住んでいるところでも例外でなく、皆でインフラを整備したりと共同作業もありますが、お互いの顔が見える位置にいることで得られるメリットも大いにあります。

畑から採れたナスやピーマン、ジャガイモなどを頂いたり、最近はお米を頂きました。

物々交換的に僕自身も提供できるものがあれば近所に配ったりしますが、それ以上に頂けるから本当に有難いです。

都会から来た若者がいきなり地域に入り、何か出来るわけでは全く無く、支えられてばっかりですが、こういう支えがあって自分の生活が成り立っていることを実感します。


③ お金が落ちる仕組みが殆ど無い

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言ってしまえば、お金を落とすところが殆どありません。

商店が集落に2軒だけあるのですが、一日一回、缶コーヒーを飲んだり、ちょくちょくお酒・たばこを買ったりする感じです。

パチンコやコンビニ、マックやスタバなどが集落の中にあれば行ってしまうんでしょうけど、そういうお店が無いので必然的にお金を落とす機会が少なくなります。

そして極めつけは、最寄りのスーパーまで車で山を降りること30分掛かるということ。

何か食べたいと思ってもちょいちょい買い出しに行けるほどの距離じゃないので、週に一回程度しか行きません。

ある意味隔離された社会かもしれませんが、そういったお店が無くても暮らせるのは、自然が豊かだから!というところに尽きると思います。


里山では自然の恵みを利用させて貰うことで人と人が繋がり、作物を生産したり販売したりしています。

確かに、里山に住んでいる方々は、都会で働く企業戦士よりは収入は少ないかもしれません。勿論、賢く堅実にやれば、稼げる手段もあると思いますが…

それでも地方に住み続けるのは、『収入が少なくても支出も少ないから生活が成り立つ部分もあるし、何よりお金を発生させなくても楽しめる活動を知っているから』ということだと思っています。


「食と水と言うものを確保することがこれから先の未来を、生き抜く上でめちゃめちゃ大事!」ということをハイパーメディアクリエイターの高城剛さんが「二十一世紀の生き方」と言うトークライブで言っていますが、本当にその通りだと思います。


確かに日本が資本主義で、生きているだけで税金が発生するのでお金は必要ですよね。


でも、全てにおいてお金に依存すること自体が危険だという認識は、ギリシャが財政破綻をしたり、東日本大震災が起こったことで感じた人も多いのではないでしょうか?

実際、食料と水が身近に存在するのは生きていく上で凄く強い。

木を燃やしてエネルギーに変えることだって出来るし水源があれば水力発電だって出来る。

国内の先進的な例で言うと、岡山県真庭市の建材メーカーでは木質ペレットを利用して自家発電をしています。


もしも、海外からのエネルギーや食糧の輸入がストップしてしまったり、地震のような天災が起きて流通が混乱してしまったら、お金で解決できないかもしれませんよね。

そういう意味で、食料・水・エネルギーを自給できること、もしくは有事の際にシェアしてくれるような地域と繋がっておくことはかなり大事なポイントだと思います…

僕自身は自給なんてまだまだ程遠いところに居ますが、生きていくためのチカラを少しずつ蓄えていきたいと思います…


2013年5月に協力隊になって一番初めの仕事で、地域の聞き込み調査をしていました。

その中の質問事項で、「大鳥のいいところはどんなところですか?」という漠然とした投げかけをしていました。

それに対し、「自然が豊かなところ」という答えが多かった。

当初、僕自身は「それだけ?!」って感じで話を聞いていましたが、今になってその意味が少しだけわかった気がします…

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