人口流出をプラスに捉える(NTTぷららのオンラインサロン『部活DO』に寄稿した記事の転載です)
2015/01/29
ども、田口(@tagu_h1114_18)です。
先日の記事でも取り上げさせていただいたNTTぷららのオンラインサロン『部活DO』にコラムを寄稿させて頂いたというお話。
STUDIO-Lの山崎亮さんが部長!NTTぷららのオンラインサロン『部活DO』にコラムを寄稿しましたー!|ひろろーぐ
こちらの部活DOで掲載したコラムを僕のブログへの転載をOKを頂いたので、張り切ってご紹介させていただきます!
以下、本文。
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「山形県鶴岡市地域おこし協力隊 兼 マタギ見習い」の田口比呂貴です。僕は今、鶴岡市大鳥という地域に住んでいます。実はここ、10年後には人口が50人になる限界集落です。
そこで今回は、人口減少を逆手に取って、何かできないか、ということを考えてみました。
都市に人が集まる=消費者人口が増える
地方から都市に人が集まる理由の多くは、進学と就職。有名大学は沢山あるし、年収も全国平均でいけば都市の方が高い。国土交通省の人口の予測推移で言えば、2020年までは都市部は人口増加していきます。
つまりは生活の基盤である衣・食・住を自分で生産できないが、お金で購入しながら暮らしている人が沢山いるということになります。
都市部に人が増えるということは、お金を使う人が増えるということ。
そういった都市にいる人が持つ潜在的なニーズに向けて情報・商品を届けることができれば、収入の中の一本の柱に十分なり得るんじゃないかなと思います。
インターネット通販と地方の実情。
例えば、近年ドンドンと利用しやすくなっているインターネット通販はどうでしょうか。
EC市場規模(インターネットを介して売買をする金額規模)は年々増加しているのですが、残念なことに現実として地方でインターネットを使ってモノを流通させている人はごくごく少数。
自分の生まれ故郷、一度行ったことがある旅先でも良いので検索キーワードを叩いてみて下さい。『鶴岡(地名) 食品 通販』で調べてみれば、楽天・JAや企業のHPで地域の食産品が販売されていますが、個人や組合レベルでHPを作って販売しているサイトは殆ど見られません。
その背景にある地域の人たちの実態として、インターネットを使った販売方法が一般化し、活用しやすくなったのはここ10年以内の話なので、生産者の多くが高齢者の地方では、対応できている人は殆どいません。
反対に、地域に住む若者は地域内で土建屋さんや一般企業のサラリーマン、公務員で働くことが多いですが、週末は実家の農作業の手伝いや地域行事への参加、子育てに時間を費やし、ウェブスキルを磨く暇がないといっていいほど忙しそうにしています。
僕も里山に住み始めて1年半以上になりますが、Facebook以外のウェブサービスについて地域の若者と話をする機会は本当にごく僅か。良い悪いは別として、日常的にPCやウェブに触れる時間が都市に比べて少ないと言えます。
更に残念なのは、販路が無いが故に生産者の多くは農協や中央青果に卸しているということ。これはよく言われる話だし、現実もその通りです。
僕の住む地域の特産品であるワラビ(山菜の一種)を地域の人は400gで200円で中央青果に卸しています。しかし、インターネットでみれば500gで1200円で販売しているサイトも…。その値差は約5倍。ネットで販売するにも固定費が掛かるけれど、それにしても恐ろしい価格差ですね。
段階を踏んでインターネット通販へ繋げていく。
ここまで、ネット通販の可能性について述べてきましたが、実は近い将来、僕自身が地域産品をネットで介して流通させることを仕掛けていこうと思っていいます。今は、そのためにイベントに出店し、正当な価格にまで引き上げて少しずつ販売しているのですが、これが案外上手くいかない。
というのも、前述の通り、地域の人はワラビを400g200円で販売していますが、僕はそれを勝手に250~300円で買取り、400円で販売したことがあります。
すると、買取り価格・売価を勝手に上げたことに対して地域の人から凄く怒られてしまったんですよね。
「うちらは400g200円で売っているのに、勝手に400g400円で売るな!地域の評判が悪くなる!」と。ある種の聖域のように感じました。地域内では暗黙のルールのような感覚で、「400gは200円で売るものだ」というマインドセットがされています。地域のおじいちゃん・おばあちゃんの暮らしは年金ベースで、山菜販売はお小遣い程度の位置付けなので値段を上げる必要性もそこまで強くないように思える。
しかし将来、働き盛りの人がそこに移住しようと思った時に、400g200円ではとてもじゃないけどナリワイにはなりません。それは地域が維持できなくなることを意味します。だから僕は、“地域の人と一緒に”イベント出店し、“聖域に当てはまらない産品”を中心に適正価格にまで引き上げて販売しています。価格を上げても売れる姿を少しずつ見て貰っていたからか、地域の人も値段を上げることに少しずつ抵抗も無くなってきているように感じます。
僕の頭の中では『イベントにて聖域に触れない産品を適正価格で地域の人と一緒に販売⇒値段を上げても売れるという認識を持ってもらう⇒都市のマルシェなどで販売⇒ネット販売』というプロセスを描いています。まだまだ道半ばですが、地域内の認識が少しずつ変わってきているのを実感できるのはなんとも言えず嬉しい。
地方の人口減少ばかりが問題視されるけど、発想を変えてみればチャンスも広がっている。地方で普通に暮らしていけるくらい稼げる人がウェブ上に出てくれば、都市に住む人が少しずつ地方に移住してくるかもしれません。遠回りかもしれないけれど、そうやって地方に貢献していくこともありなんじゃないかな~…と思います。
執筆者プロフィール
法政大卒⇒電子部品メーカー営業2年⇒鶴岡市地域おこし協力隊。マタギ見習いとして里山で活動中(狩猟免許取得済み)。ブログ・ライター・ネット通販・ワークショップで副収入を得ながら里山で自立の道を模索中。
ひろろーぐ(個人ブログ):http://hirotaguchi.net/
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じわじわと盛り上がりを見せている『部活DO!』
僕も地域創世部の部員となっておりますが、山崎亮さんを中心として部員の方々が全国の事例や感想をコメントをしていて、「へー!」と思うことも多いです。似たような地方を見ていても、人が変われば見方も情報の質も変わる。
さまざまな視点での価値の交換がなされる空間になりつつあるのを見ていて感じます。
気になる方はゼヒゼヒ、アプリ登録してみてくださいねー!
部活DO!のURL(http://bukatsu.hikaritv.net/)
最後に部活DO!関連のイベント告知も少し…。
いきたい!!!…。が、いけない。
地域創世部の部員のコメントを見ていたら、このイベントのために大阪から直行直帰する人もいるとか…。
凄いですね。僕にはその気合が足りないのだろうか…。
関東近郊の方はゼヒ足を運んで、僕に感想を教えてください。笑
せば、またの。