2022年の振り返り
ども、田口(@tagu_h1114_18)です。
2022年もあっという間に過ぎていきました。みなさん、ありがとうございました。新年も宜しくお願いします。
毎年、何かしら変化があるような気がしていた20代に比べると、今は日々蓄積しているモノゴトがなんとなく自分の掌に残っていくような感覚があり、山のことも、地域のことも、面白く思う。ウサギやヤマドリが相変わらず獲れないが、どんな気象条件の時に出歩き、どんな時に杉林に入り、寝る時はどんな地形にいるのか。”着き場”と呼ばれる場所が少しずつわかってくる。語らぬ痕跡を読み解くと、獣との出会いが増えていく。マタギや”デルスウザーラ”はそれに秀でた人たちであり、その力の奥深さの入口に立ち、自分もそこに近づきたいなと思った。地域の人から、沢や平らな場所、渕、特徴的な松の木などの呼び名を沢山教えてもらい、地図上に落とし込んである。それはただの記録のつもりであったが、それは自分が実際に猟などで山に出掛けてみるととても役に立つもので、帰ってきてからも話題の共有に繋がっている。ウサギの着き場や熊が追われて上がる場所なども同様である。今の自分には地図上の理解しかないけれど、現場経験を積み重ねると立体的になり、身体で覚えるようになる。
そうした能力はとんでもなく見えにくく、現場を共にした人でさえも気づけないことが多いから数値と肩書まみれの人間社会の中では評価しずらい。けれど、自分たちをの身の回りにある森の中で日々どんなことが起こっているのかを知ることは、社会がどんな風に日々動いているのかを知ることと同じくらい面白いものだと思う。山では鳥が木や枝をつつき、カモシカは木の芽を食べた痕跡を残し、鷹はヤマドリを狩っている。現場で少しだけリアルを知り、「これはなんだろう。」という問いだらけで帰ってくる。そのくらいが丁度良いのかもしれない。どんな玄人でも毎日獲物を授からないのだから、かえって面白いのだと思う。
もう一つ身に着けたいのが、地元の人たちは山の中で一度見たモノをよく覚えている。登山道でどんな服の人とすれ違ったか、昨日道端にどんな車が止まっていたか、あそこの岩が落ちそうだ、さっきはあの木の側を通って来た、などなど。これを”見置き”と言うそうだが、これにとても長けている。観察したものの特徴を瞬時に記憶し留めておくことはスマホのメモとカメラに任せておけばよさそうだが、これが結構使えない。空間全体で把握し、自分の位置や、遭難案件?とか、舞茸が生える木の位置とか。その周辺環境の”感じ”が頭の中に入っている。これが出来る人と一緒に山に行くと、とても頼りになる。どうやったら身に着くのか皆目見当つかないのだが、GPSをいじることを極力辞めて、よく観察することから始めたらいいのかなって思っている。多分、やってれば後からついてくる系の能力だと思うんだ…。
自宅周辺をいろいろとDIYした。
狩猟の話が中心でしたが話は変わって、昨年は家周りのことをいろいろやっていました。薪棚を作り、アスファルトを補修し、コンクリート打設をし、板をはめるだけで出来る雪囲いを作った。やってみるとDIYは頭も身体も使って健康に良いです。自分で設計図を書いて作った方が詳しくなるし愛着がわきます。あと、ホームセンターは素晴らしいです。庄内にもパワーコメリ欲しい。自宅の薪で使う木伐りも、初めてやりました。伐木はおっかないです。
フィールドワーク 会津若松、磐梯山麓、塩釜&多賀城、東京三鷹、秋田県由利本荘市百宅、沼津&伊豆半島
会津若松を歩いていて不思議だったのが、街中に寺があっても墓地がないこと。会津若松城の北に大塚山という昔古墳があった山があって、浄土真宗でも曹洞宗でも、宗派関係なくそこに一手に墓が集まっていました。で、一旦大塚山に先祖を拝んで、その北東にあたる磐梯山に祖霊が登っていくのだと。大塚山からは会津若松の街中も見え、磐梯山も見える。磐梯山麓には山への信仰が強く残っているそうだが、心だけではなく、身体で強制的に磐梯山と墓地を紐づけるというのは山神信仰への根付き方も変わってくるもんだろうと思った。
秋田県由利本荘市百宅は、かつて鳥海マタギがいた集落だった。1970年代から始まっていた予備調査が民主党政権下で一度見直しとなるも、その後自民党になり事業継続となり、現在は全戸が移転した状態になっている。移転には集落内でも賛成も反対もあったそうだが、1軒ずつ個別で契約を交わし、2020年には全戸が移転契約を終えたそう。自分はこの地に残りたいと思っていても、周りの人たちが徐々に消えていく。そういう現実は、きっと寂しいと思う。移転補償金は支払われるが、植生、地形、地質、生物が自身の身体とシンクロしているから、よその土地に行っても応用はできるだろうけど、同じフィールドはよそにはない。2028年には鳥海ダムが完成し、完全水没してしまう百宅。既に工事は始まっているが、いずれ集落にも立入できなくなるそう。こういうところから学べることは多いと思うので、気になる人は足を運んでみて欲しい。
大鳥では石碑/板碑調査、水路、杉の植林状況調査、古文書の読み解きをした。自分にため込むばっかりで、中々アウトプットできていないのですが、今年も調査を続け、そのうちまとめたい。
2022年買ってよかったもの (山で使うものばっかだけど。)
・弘進ゴムの長靴 ザクタス
最近になって買ったもの。4000円程度だけど、半端じゃなく丈夫で長持ちするらしい。これを進めてくれた人は、4年間も履いてるけどまだ穴が空いたり破れたりしていないとか。長靴はたいてい半年に一回買い替えていたけど、一つくらい長持ちするのが欲しかった。これを長く履きたい。
昔は全く気にしていなかったけど、インソールは超大事。長靴はきたての頃は、デフォルトのペラペラインソールをずっと使っていましたが、冬はめちゃ寒かった。ところが、インソールを入れてみると寒くないし、足痛くないし、動きやすいし。で、最近おススメなのが、ワークマン+のアクティブアーチインソール。1000円くらいで足が快適になります。長靴にいれて使っています。現場仕事が多い人、山仕事の人など、おススメです。
・Anker Soundcore 3
Soundcore2も持っていたのですが、音もレベルアップしてました。車に積んで運転中にスマホから音楽やラジオ、podcastを聞いてます。Bluetoothのスピーカーを安価で欲しい人にはおススメ。
・Nikon双眼鏡 モナーク5 8×42
・チェストリグ
僕が持っているのはこれじゃないけど、こんな感じのやつ。いつも猟友会ベストを着て猟にいくのですが、このベストの胸ポケットや前ポケットに無線や弾を入れて歩くと、やたら首・肩が痛くなっていたのが長年の悩みでした。なので、双眼鏡も無線も弾も腰ベルトに装着していた時もあったのですが、腰が重たい&歩きずらくてこれも諦めました。で、サバゲ―で使われるチェストリグというのを今試しに使っています。双眼鏡、弾、スマホなど、すぐに取り出して使いたいものが胸の位置にあり、これら全体を両肩と胴で支えているので今のところ快適です。銃を構える時に胸前がゴワゴワするけど、それに慣れるのかどうか…。
・GENTOS LED 懐中電灯 400ルーメン
おもしろかった本
・羆撃ち 久保俊治 狩猟教書
・宮本常一の旅学
・満州アヘンスクワッド