36歳になりました。
ども、田口(@tagu_h1114_18)です。
誕生日が最近来まして、36歳になりました。大鳥に住み始めて9年が経ちました。時間は早い。
30歳を過ぎてから、身体・精神的に色んなことが変わってきたと思う。焼きそばが美味しいと思う様になったり、疲れの回復が遅くなったり、夜遅くまで仕事ができなくなったり、鯉に餌をやるのが楽しくなったりして…。
都会にいた時のほうが情報のシャワーを浴び場まくっていたなぁと思いながらも、情報には偏りがあったんじゃないかと思う。一方、田舎は情弱だと言われるけれど、多様な情報をたくさん得られている実感がある。大鳥に住んで色んな人に出会い、色んな人と話し、色んなことを学んだ。大工さんや水道屋さん、杣夫、猟師、農家、土建屋、材木屋、機械の修理屋、科学者、行政マン、議員、大学教授、古文書の先生、料理人、芸術家、ミュージシャン、カメラマン、映画監督、彫金屋、山好きな人、虫や魚が好きな人…。自身が身をもって経験したこと、学んだことの、生きた情報が詰め込まれていて、日常がリアリティーに溢れている。地方は土建屋と農家ばかりではない。もっと色んな職業の人たちが目に見える形で表れてくる。
社会は、もっと言えば集落は農業だけでもインフラだけでも成り立っていない。衣食住に関わる、ありとあらゆる知識と技術がそこかしこに使われ、人と繋がって活かされていることを出会った人たちの多様さから思い知らされる。
僕は、なんの技術もないまっさらな状態で大鳥に入った。強いて言えば僅かな事務・営業経験と、ネットでブログを書くことを24歳くらいから始めたほどだった。そんな僕でも、狩猟採集をして、木を伐り、薪を割り、水路を直し、コンクリを打ち、階段を作り、草を刈り、雪を降ろし、最近では重機にも乗るようになった。その傍らで民俗調査をしたり、石を見たり、地形を見たり、古文書を少し読んだりしている。どれ一つ専門職にはなりえていないけれど、季節が変わるごとにやることが変わり、感じることが変わり、それがグルグル巡って繰り返し、生きていることになる。一つに的が絞れていないから、学ぶスピードは遅い。遅いのだけれど、脳みそが小さめの僕にはちょうどいいのかもしれない。
集落は日々刻々と変化をしている。大鳥に入った頃は、「いつ変わるんだろう…。」って思っていたけど、変わってきた。先人たちが築いた船に乗せてもらいながら、その先人たちが現場を離れていくと、自然と変わっていくのだろう。変わらざるを得ないのだろう。僕がやりたいことは、先人たちの見てきた景色、使ってきた山々を学び、残しておくこと。それだけは7年前から変わらず思っていることでありながら、日々の生活に負けないように手を動かしていきたい。
せば、またの。