ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

マタギ見習いの狩猟日記VOL.5 狩り収めは足跡さえ見つからず…今期の結果は散々。でも、狩猟が好きです。

2015/02/16

狩猟をやっている人にとっては常識なのですが、狩猟は決められた期間でしか猟ができません。

僕が住んでいる地域では、11月15日~2月15日までの3ヶ月間(有害駆除はまた別)なので、今回は狩り治めにいきました。

ども、新米猟師の田口(@tagu_h1114_18)です。

 

この日はそこそこ吹雪の日で、地元の猟師さんでもこんな天気では普通は狩りに行かないそうです。吹雪いていると、動物もどこかで休んでいて出歩いたりしないそうで、足跡もつきにくいから、狩りをするのも困難なんだとか…。

 

けど、

 

「お前くらい(の新米猟師)なら、毎日でも行かないとダメだろう!」とハッパをかけられたし、今期も最後だし、少しでも山を覚えたかったので、猟に出かけてみました。

今回の狩猟ルート

写真 2015-02-14 16 55 34今回は、東の集落(繁岡)と西の集落(寿岡・松ヶ崎)の間にある、中山と呼ばれる山に行きました。

写真 2015-02-14 20 30 35

活動はこんな感じ。約3時間、休み休みで山を登っては歩き続けた。

 

狩りの現場

写真 2015-02-14 15 03 52

結構吹雪いていて、視界が悪かった。

更には、山を登れば登るほど遮るものがなくなっていき、風が吹き降ろしてくる。この風が本当に冷たい。

 

そんな環境でありながらも、歩いて足跡をひたすら探す…。

たまに、「どこかで待っていたら、獲物が来るんじゃないか?」と思って、息を潜めてしばらく足を止めることがあるのですが、そのパターンで出会ったことって今まで一度もありません。

というか、僕は狩猟をしている時はウサギとカモしか見たことありませんが…笑

 

なんていうか、自分の足で歩いて探しに行かないと、獲物には出会えないんじゃないか…なんて思います。

動物は多分、匂いや音に敏感で、人が通った時のカンジキを踏みしめる音や、匂いなどが残ってしまっていて、人が通ったその近辺にはしばらく近づかないんじゃないかなと思います。

 

だから、雪山をひたすらに歩き続ける。

待ち伏せとかカッコイイけど、今の僕には、それがやれそうな実感はありません。笑

写真 2015-02-14 15 33 56

コンコンコンコン…と音がすると思ったらキツツキが木をつついている音でした。

冬は森が死んでいるように見えるのですが、そこに息づいている生き物がいるのを見ると、少し頬が緩んでしまいます。

写真 2015-02-14 16 01 18

2時間半ほど歩いた時、杉林の中に入ったのですが、杉林の中では本当に方向感覚を失う。

日の入りもあと1時間と迫った時間で、そろそろ下山しようと思っていた時、「こっちの方角に集落があるはず!」と思って峰を越えてみると、集落がある様子が全然ないんです。

 

見渡す限りただの森。

 

「ヤバ…」

 

心の中で動揺が走ります。

自分がどこにいるのかわからなくなった。

 

山に一人ぼっちだし、食料も無い。その前に遭難したら寒すぎて多分凍え死んでしまう…。

 

そんな不安が頭をよぎりながらも、困ったときに頼れるのがiPhone。

以前にも記事で紹介した、Google Mapを使って自分の現在地を確認。

参照:狩猟(ハンター)・山菜、キノコ採りの初心者必見!山での遭難防止にスマホアプリのGoogle Mapが結構使えるよ。|ひろろーぐ

写真 2015-02-14 16 00 59

大鳥簡易郵便局というのが寿岡集落にあり、どの方角にいけばそこにたどり着くのかがわかります。

こういう時、ITには本当に助けられます。

 

獲物の姿は愚か、足跡さえひとつも見つけられなかったのは悔しかったけど、無事に帰って来れて何よりでした。

 

今年度の猟期間で、冬山で狩りするのが楽しいことを実感…。

写真 2015-02-13 14 19 37自撮りで記念写真。こういう時に、自撮り棒があったらオモシロいなぁ…と思う。笑

 

僕みたいな素人が、山に入ったところで獲物が取れるわけがない。

そんなことは前々から頭でわかっていたのですが、今回の猟期(2014年11月1日~2015年2月15日)までで、10回くらい猟に行って、取れたのがウサギ1匹のみ。

1匹でも成果が上がったのは嬉しいことだけど、その後は何度山に赴いて、歩いても歩いても獲物に出会うことすらできないという虚しさ。

 

頭で分かっていることを体で実感すると、余計にダメージがある。

 

けれど、無音で深々と雪が降り積もる世界にいるのはかなり落ち着きます。

時たま、森の中で動物の気配を感じてみようと目を閉じてみるのですが、そうすると色んな音が聞こえてきます。

風の音、木から雪が落ちてくる音、猿の鳴き声、小鳥のさえずり…。

「キーン」という電波の音?っぽいのも聞こえてきます。

 

シャバでは中々聞こえてこない森の声みたいなのを聞いていると、なんだか「ここまで苦労して歩いてきたけど、獲物が取れなくてもいいや」って思っている自分がいたりするんですよね。

 

狩りは勿論上手くなりたいし、獲物をとって肉として食べたり、毛皮をなめしたりしたい。

けれどその一方で、森の中で落ち着ける時間を持つのもまた、森の番人らしい時間の過ごし方なのでしょうか…。

素直に冬山や狩りを楽しみたい。

そういう気持ちが、山に入っている中でフツフツと湧いてきた狩猟一年目でした。

終わりに

プレーオフという訳じゃありませんが、3月上旬からウサギの有害駆除が始まったり、猿の有害駆除、そして4月には熊狩りがあります。

 

狩猟一年生としては、ひたすら実践あるのみ。

熊狩りはかなり貴重なモノなので、狩猟方法や儀式などをアーカイブにすることも頭に入れつつ挑んでいきたいと思います。

 

とりあえず目先はウサギの有害駆除ですね♪

マタギ見習い、頑張ります。

 

せば、またの。
【狩猟初心者におススメの本】

-狩猟
-,