ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

地域おこし協力隊の募集会が『企業の合同説明会』化していて"つまみ食い"状態だったから、協力隊の志願者は更なるリサーチをおススメします。

2015/02/10

ども、田口(@tagu_h1114_18)です。

 

最近の記事で、鶴岡でも協力隊を募集していることを書きました。

【鶴岡市地域おこし協力隊を3名募集!】鶴岡で新しく地域おこし協力隊を受入れる地域の研修会に参加してきて感じたこと。|ひろろーぐ

鶴岡市も新たに3名の協力隊を募集することもあって、JOINが主催する移住&交流と地域おこしフェアに行き、募集のPRをしてきましたー。

今回はチーム鶴岡を含む会場の様子と、今回の協力隊の募集会で僕が感じたことをお伝えしていきたいと思います。

移住&交流と地域おこしフェアの様子

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チーム鶴岡。右のノボリは僕の手書き♪ちょっと寂しいかな^^;

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15分間のプレゼンタイム。メインMCは協力隊の担当、前田さん。さすが出世コースに乗りまくりの攻める役人。

鶴岡市の概況や、受け入れ地域の温海、福栄地区のこと、協力隊としての活動、僕の家計簿などをご説明させていただきました。

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関川しな織りのゆきえさん。

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会場に訪れていた人たちをしな織りで見事に魅了。

ってか、食いつかない方がどうかしてる。笑

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“しなの木”の皮を一年かけて加工して、糸にし、編んでいく。本当にすごい技術です。

こういう手仕事でなければ成立しないモノは、残っていかないとあかんです。ホントに。

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しなを編むゆきえさん。すごいです。

とあるキッカケでしな織りが好きになり、東京三鷹から鶴岡に移り住んだゆきえさん。今はしな織りの宣伝・営業隊長らしいですが、しな織りをしているときはステキな顔をしていました。

2日間、一緒に過ごしただけでしな織りとゆきえさんが好きになりました♪

文化を縦に掘っていくと、モノスゴイ求心力になるんだと思う。

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ご近所の山形県西川町でも協力隊が頑張っていました♪帽子は夏スキーで有名な月山をイメージしているみたいです。

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城崎温泉で有名な兵庫県豊岡市。タバコを吸ってたら仲良くなりました。笑

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福井県のブルー軍団。なんか、スゴイです。高校野球みたいな結束力。

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わっしょい。呼び込み頑張りまっせ!ですな。

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西日本の軍勢。すごいね。四万十とか、有名だもんね♪

自治体・団体の数が半端なく多くて圧倒されてました。もう、どこに話を聞きに行っていいかわからなくなる。リクナビやマイナビが主催する企業の合同説明会と同じですよ、ホントに。

それに、地域産品を販売しているマルシェエリアもあるし、移住・交流のスペースにも協力隊を募集しているところもあった。移住促進と地域PRのちゃんぽんです。限定されたエリアだけの募集会まだ全体を見て回れるかもしれないけれど、今回のは多すぎて何を見ていいかわからん。

興味ある地域がいくつかある+αで会場内を巡る…くらいであればいいけれど、真っ白の状態でいくとカオスに巻き込まれるだけ…みたいな状態でしたね。自分に合いそうな地域・自治体にあたるかどうかは運です。

 

地域おこし協力隊の拡大化と、募集会で感じた自治体バトル。

2年前、僕が募集会の会場に行っていた時よりもずっとずっと規模が大きくてビックリ。協力隊の募集をしている自治体・団体の数だけでも100は超えていた。

スタッフが多く、気合いをいれて呼びこみをしているところ、上手な見せ方をして人を呼び込んでいるとこ。地面にマットを引いて、くつろぎながら案内していたところ。淡々ときた人を対応していたところ。

やり方は様々ですが、募集に掛ける意気込みが伝わってきます。

政府は目先3年間で協力隊の人数を現状の1000人から3~4000人まで増やすと言い、鼻息を荒くしている自治体の担当職員も多いだろうし、都市部にも地方に目を向けている人が増え、JOINや全国の協力隊のPRで地域おこし協力隊の認知度も上がってきたことが追い風になっているのかもしれない。

僕が協力隊になろうと思っていた頃は協力隊の数は全国で400人くらいで、大企業よりもよっぽど待遇は良くないのにも関わらず、なぜか学歴も含めてエリートな人たちが協力隊になり、活躍しているイメージでした。先を見通せるキレモノが地方に移り住んだという感じでしょうか。

それが今では、地方に住みたいと漠然と思っている人の元にも情報が届くようになり、協力隊の人数も増やすと言うこともあってチャンスが広がってきているように感じます。

 

その一方で、自治体の受け皿も増えているけど、応募する人もリスクヘッジを考えいろんな自治体を受けることが当たり前になっていて、都市から地方への転職活動のようになっている。

どこの自治体か忘れましたが、内定を何人も出したのに、内定した人はみんな違う地域にいってしまったという記事がネットに上がったのを見たことがありました。

記事の中では、協力隊は売り手市場になっていて、自治体間での隊員候補の取り合いが始まるのだとか…。

これは現実なのかもしれませんが、自治体間のバトルを煽っている気がして「なんか違うな~」という印象を持っていました。

 

そんな印象を胸に秘めつつ会場を見て回っていたら、地域によって気質の違いも勿論あるのでしょうが、僕の感覚的にはバトルが繰り広げられているように感じました。

どこの自治体もみんな優秀な人が欲しいし、人口を増やしたい。だから、たくさん声をかけて、出会いを多くして、ひとりでも多くの人に応募してもらって人材の選択肢を増やす。

そんな思いはわかるのですが、「協力隊の待遇なんてほとんど差がないのに、なんでしのぎを削らんといかんのだ…」と思う。

 

多分、協力隊は自治体も含め、その地域に自分がフィットするか、しないかだと思う。

 

協力隊の募集会でたまたま出会ったことがご縁で地域おこし協力隊になれて、充実した日々を遅れていますが、自治体や地域の受け皿がやりたいことがしっかりと持てておらず、3年間を棒に振るケースも耳に入ってきます。

そんなお互いに不幸になる方向へ向かわないよう、協力隊になりたい人は募集会でチラシもらったり、ちょっと話を聞いただけで、ろくにリサーチもせずに応募用紙を書かないほうがいい。そんな時間は無駄。ろくに興味もしない会社に向けて空振りするエントリーシートを書いているのと同じだと思います。

自治体は、一方的に地域の概況や協力隊の募集要項を伝えるだけじゃなく、訪れた人がどんな人なのか、どんな興味で自分のブースに来たのか、どうして地方に興味があるのかなどの対話を重視すべきだと思います。

僕が2年前に募集会に行った時は、母の実家が山形にあって、小さい時に何度も行ったことがあったというだけの縁で、その時山形県内で唯一?ブースを出していた鶴岡市に足を運んだ。鶴岡のことは無知だったけど、協力隊のことや山形のこと、鶴岡のことなど、根掘り葉掘り聞いていたような気がします。担当者いわく、僕は40分くらい鶴岡のブースに居座って話をしていたらしい。笑

 

『企業の合同説明会』化した協力隊の募集会で断片的に知った自治体へ、更なるリサーチを…。

今回の募集会では、一つのブースにへばり付くどころか、選択肢がありすぎて、ゆっくりと対話ができる雰囲気がないように思えてしょうがないですが、基本的には出会いがあった自治体と地域、協力隊の志願者がちゃんと向き合っていくことが大事なんじゃないかって思います。

 

法政大学現代福祉学部の図司直也先生とご縁があってお話していてピンときたお話がありました。

「せめて受け入れ自治体に電話して具体的な内容を聴いたり、役場や地域の姿勢に触れる。」

「現地にいって話を聞いたり、雰囲気を感じてくるくらいの気概は持っていた方が良い。」

 

応募する人からすれば、どこの自治体も基本的には知らないから情報としては横一線。

”自然が豊か”なんて売り文句はどこでも同じだし、何も知らない状態でしぼり込める軸があるとすれば、気候や旅行で訪れたことがある場所くらいのもんだと思う。気候であれば、雪が好きであれば東北以北や日本海側、寒いのが嫌だったら西日本みたいな軸は持てると思う。

でも、旅行で訪れて好きなのと、移住して好きになるかどうか全く別モノ。

 

だからこそ地域の人を知る役場の人に電話して聴いたり、現地に飛び込んで住民にリサーチをかけるくらいの気持ちを持っておくべき。断片的な絵になるかもしれないけれど、イメージが少しでもクリアになるような姿勢で望むべきだと思う。特に、なんとなーく地方に移住したかったり、協力隊を目指している人は…。

じゃないと、本当に3年間を棒に降ることになるかもしれない。

 

繰り返しになりますが、大事なのは自分にフィットするかどうか

 

企業の合同説明会で奪い合うようなゴリゴリの資本主義の中で活躍する優秀な人は、道の駅や産直施設勤務などであれば重宝するかもしれませんが、それでも基本的には地域の人との接点は避けられないし、地域住み込み型で勤務する場合は特に、地域にフィットしそうな人のほうが大事なように思えます。

理想を言えば、なにかのキッカケで地域に訪れ、地域の人と交流する中でその地域に関心を持った人に、「『地域おこし協力隊』というチケットがあるけど、申し込んでみる?」的な提案ができたら素敵だなぁ…と思う。

 

「協力隊があるから地域にこない?」

 

じゃなく

 

「地域が素敵だと思うなら、協力隊で地域にこない?」

 

という形。

 

けれど、現実的に募集している地域が、既にご縁のある地方であるとは限らないし、自治体に協力隊の制度の採用を持ちかけるのはかなり大変。そういう意味で、しつこいようですが協力隊を募集しているところに何が何でもリサーチをしておいたほうが良い。募集会でパンフレットを集めたり、ウェブで情報を集めるだけではダメで、担当者へ電話したり、現地に赴くべき。

 

僕も協力隊になる前は、岡山県美作市の地域おこし協力隊になりたくて、2回リサーチにいきました。協力隊の着任地(東粟倉・巨勢・小房を中心に…)に赴いては地元住民にノンアポで突撃し、地域のことや協力隊のことをヒアリングしてました。この為だけに8万円くらい掛けましたが、この先3年間のことを考えると、8万くらいちっとも惜しくないです。

結果的には美作市は不採用で、鶴岡市に拾ってもらったのですが…笑

まぁでも、その時の時間とお金は無駄じゃなかったかな~って、今は思えます。(ありがちな自己肯定ですが…笑)

参照:誰にも言っていない、僕が地域おこし協力隊として山形に移住した本当の理由。|ひろろーぐ

 

もし、鶴岡市が気になってリサーチしてみたい…。地域の人に会ってみたいということであれば、交通費・宿泊費までは出せませんが、鶴岡駅まで来てもらえれば役場や地域をアテンドしますよ。受け皿となる福栄地区の人たちも、受け入れてくれると思います。

メールをもらえれば質問にも答えますよー!

お問い合わせフォームからか、tagu_h1114_18@yahoo.co.jpへご一報くださいな。

 

事前に僕ができるのはそのくらい。

あとは、協力隊になれたらやれることはフォローします。

 

※協力隊になってからフォローできる内容は下記の記事に詳しく書いています。

【鶴岡市地域おこし協力隊を3名募集!】鶴岡で新しく地域おこし協力隊を受入れる地域の研修会に参加してきて感じたこと。|ひろろーぐ

 

少しでも協力隊と自治体のミスマッチが少なくなることを願って…。

 

せば、またの。

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