ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

34歳になりました。

奈良県十津川村果無集落

ども、田口(@tagu_h1114_18)です。

時が流れるのはほんとうにほんとうに早いもので、34歳になりました。

お祝いのメッセージを頂いた方々、ありがとうございます。

地域の人たちも僕と同じように歳を取り、出会った頃には70代前半だったのにもう80歳近くになっていたり、大鳥を離れたり、亡くなったり…。協力隊になった頃に出会った方々にいろいろ教えて頂いた方々との別れは本当に寂しい。そして今、急速に民俗が失われていっている感覚を覚えてます。戦中戦後に生を受け、狩猟・採集・農耕や、ワラやカヤなど、山の資源を中心に生きてきた世代が現在の70代後半代以上となりますが、その方々もあと10年すれば身体的にかなり厳しくなる。

東北には古いモノ・コト今も生活の中に息づいていると考えていますが、本来の姿が見られるのもあと10年なのか…、と思うと、人々の記憶と今を記録しなければいけないな、と思うのです。そんなわけで33歳からの一年は、特に大きなチャレンジをするわけでもなく、大鳥の民俗調査を平行しながら日本史や農業史、狩猟史、林業史などの勉強をしていました。また、興味が転じて7月中旬~9月末まで北陸・中部・関西・中国に出かけ、それぞれの地域の歴史や地理、民俗を勉強させて頂きました。九州・北海道も巡りたかったのですが、時間的に行けなかったのでそれは今後の楽しみに。とりあえずの総括は以下の記事にまとめています。

フィールドノート2020 関東・中部・北陸・関西・中国編総括 大鳥てんご

フィールドワークで巡ってきた世界文化遺産や日本遺産、ジオパークの取り組みはとても関心させられるし、訪れる人に地域の空間的な理解を深めてくれる。博物館のパネル展示や模型、地図や書籍にずいぶんと助けられ、僕もまた興味を掻き立てられた一人であります。一方で、小さな資料館・博物館は人があまり通わず、お陰でスタッフの方々からじっくりお話を聞かせて頂いたのですが、今後どうなっちゃうんだろう…と少し心配になりました。太い歴史を支えてきた無数の集落たちの歴史や民俗は、伝えられていくだろうか。どうにか紡がれていって欲しい、と思ったのでした。

まだ、旅のノートをまとめきれておらず、年内はずっとこれにかかりっきりになりそう。まとまったら地域ごとに記事にする予定。

 

34歳になった今年も、引き続き大鳥の調査を中心としながら、庄内藩や山形県の歴史も調べつつ、今まで調べてきた大鳥の歴史・民俗を少しずつまとめていきたいと思います。継続していると頭に残るもので、地理や地質、歴史が地域の風景や民俗を作ってきたんだなぁと感慨深くなります。地域で懸命に生きてきた人たちの軌跡は、次なる人たちの微かな道しるべになるんじゃないか。少なくとも僕自身は、過去の記録者たちが残した大鳥の民俗に触れ、心が躍った。大鳥の輪郭を刊行した4年前からずっと考えてきたことですが、大鳥のことでもう一冊書きたい。できれば2冊書きたい。5年なのか10年なのか。何年掛かるかわかりませんが、小さくとも一つずつ、取り組んでいきます。

せば、またの。

-セルフマネージメント

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