マジで誰!?田舎暮らしはスローライフだなんて言った奴は…。僕の実感値ではスローライフなんてただの幻想でしかない。
2015/01/29
どうも、田口(@tagu_h1114_18)です。
本日は田舎暮らし=ゆったりした生活、田舎暮らし=スローライフというイメージを抱いている方々に対し、反旗をひるがえしたいと思います。
日本全国の地方に住む若者全員に通用するほど普遍性の高いものではありませんので、多少の暴君はお許し下さい。笑
さてさて、大鳥に住み始めて一年と二ヶ月が経とうとしているわけですが、本当に毎日がめまぐるしく過ぎていく。
スローライフ、ゆったりとした生活を実感できたのは最初の2ヶ月だけで、それからはセンター試験を目の前に控えた受験生ばりに追い込まれまくっています。
僕が地域おこし協力隊という立場であることは勿論あるし、高齢化率70%の超限界集落の中でも大鳥という地域はかなり特殊なのかもしれません。
それでも、都市部の忙しすぎるサラリーマン達によって作り上げられた『スローライフ』という言葉のイメージは、コミュニティーの基盤がしっかりしている地域と関われば関わるほど、幻想だと気が付くであろう…。
協力隊の仕事の受け皿である大鳥の組織・団体とその仕事内容
僕の住む大鳥地域には集落が3つで、人口が90人もいません。
この人数も年々減っていて、昨年度だけで3人が大鳥を離れました。
それでも、組織・団体の数は異常なくらいにあります。
ざっと上げると…
- 繁岡、寿岡、松ヶ崎という各集落の自治会組織。(寄合(会議)・結(共同作業)・行事(盆祭りなど)を各集落にて)※ちなみに僕は繁岡という自治会に入っています
- 大鳥タキタロウ村(村づくりの組織、年4回のイベントを中心に活動)
- 大鳥タキタロウ村組合(タキタロウ館の運営)
- 大鳥村づくり協議会(大鳥自然の家の運営)
- 大鳥振興企業組合(土建業の組合会社)
- 大鳥観光協会(イベントの企画運営)
- 集落営農組織(農業の団体)
- 大鳥地域づくり協議会(攻めの自治を展開。)
僕は上記に上げた全てに何らかの形で携わっています。
事あるごとに会議、共同作業、イベント、企画会議、飲み会などが押し寄せてくるし、しかも、前もって日程が決まっているものなんてイベントごと以外ほぼありません。
いきなり回覧板が回ってきたと思えば翌日の朝6時から共同作業の草刈りがあるなんて告知はザラ。「せめて一週間前には知らせてくれ!」といつも思います。笑
勿論、予定が入っている場合は参加できませんが…。
それにしても多い。多すぎる。
全部で8つの団体・組織。
組織だけでもスッキリさせてほしいと昨年の夏に切に願ったことは、未だにそうあって欲しいと思う…。
それ以外にも地域防災を担う消防団や、狩猟・有害駆除などを行う猟友会、地域の若者を集めたまちづくり塾などにも所属している。
それぞれの組織・団体がどんなことをしていて、そこで僕がどんな仕事をしているのかを掻い摘んで紹介すると…
- 繁岡、寿岡、松ヶ崎という各集落の自治会組織
二ヶ月に一回ペースで寄合(会議)、結(共同作業):春の雪囲い外し、初夏の草刈り、夏の草刈り、冬前の雪囲い、冬の雪下ろし、その他、ゴミステーション前の除雪。盆祭りは各集落持ち回りで3年に一回。納涼会。年始の集まり。悪魔払い。
- 大鳥タキタロウ村(村づくりの組織、年4回のイベントを中心に活動)
春の山菜祭り(6月)、秋のきのこ祭り(10月)、そばまつり(11月)、冬祭り(2月)。
- 大鳥タキタロウ村組合(タキタロウ館の運営)
雪囲い、雪囲い外し。釣り堀の清掃。
タキタロウキャンプ場の整備(看板たて・草刈り)
- 大鳥村づくり協議会(大鳥自然の家の運営)
キャンプ場、グラウンドの草刈・炊事場設営・壊れたら吊り橋直し・入所団体の受け入れサポート
- 大鳥振興企業組合(土建業の組合会社)
朝日連峰登山道の整備(草刈り・沢水を引っ張るパイプの修繕など)
- 大鳥観光協会(イベントの企画運営)
タキタロウ祭り、大鳥川フェスタ、月山あさひ雪祭り
- 集落営農組織(農業の団体)
米作り(苗床作り・苗代作り・田植え・草刈・収穫)
- 大鳥地域づくり協議会(攻めの自治を展開。)
空き家・空き地調査・大鳥daysの運営・冬のお茶飲みサロン企画運営・冬の高齢者宅の雪下ろしサポート・タキタロウ調査(2014年度)・大鳥山の教室(2014年度)・
- 消防団(地域防災)
操法大会に向けた練習・操法大会・その他演習。
- 猟友会
熊・猿の有害駆除、射撃大会など。
- まちづくり塾朝日グループ
月一回のグループワーク(会議)+企画実施(イベントサポート・フラッシュモブなど…)
これらが僕の協力隊としてのメインの仕事です。
ざっと並べてみただけでも「関わり過ぎだろ!」と自分にツッコみを入れたくなる。笑
さらには土・日関係なく仕事が舞い込んでくる。もはや生活=仕事になっていますね。
自分のやりたいことは空いた時間でサクサクと…
これだけの組織に関わり、これだけの仕事が年間通じてあると自分の時間なんて無いように見えますが、案外あります。
4月下旬~6月中旬までは熊猟・山菜・畑・田んぼ・キノコの菌植えと、土日も無いくらい鬼忙しかったりしますが、7月~8月は割とおっとりしている。9月~11月まではキノコ採集が始まり、11月下旬~12月上旬は雪囲い。1月~3月までは週に2~3回の屋根の雪下ろし作業と、月に一回のお茶飲みサロンの運営。これにプラスして自然の家の入所団体の手伝いや、地域の運動会・敬老会などのイベント、お祭りの準備がある。
とは言え、基本的に作業は日中で、夜は会議や飲み会がなければ暇です。
一週間のうち、5日も予定がない時期もあるくらい…。
そんな時は山で山菜・キノコをとったり田んぼ・畑作業をしたり、薬草を採って乾燥させたりクロモジで香水作りをしてみたり…。冬には狩猟とDIY。たまにワークショップをしたり講演をしたり。
夜は基本的にパソコンで資料を作ったりブログ書いたり、デザインしたり、本読んだり…。
自分の仕事創りに繋がりそうなことを中心にトライ&エラーをしています。
たまにYouTubeをダラダラ見ることもありますが…。笑
感覚的には一年の半分は地域の仕事、残り半分が自主活動という感じでしょうか。
「えっ?!地域の仕事量ってそんなもんなの?」と思うかもしれませんが、協力隊として地域での仕事だけやっていれば十分スローライフかもしれません。
けれど、その後も住民として住み続けるのであれば、自分の仕事+地域との関わりとなるので、スローライフなんて恐らく言ってはいられない。
協力隊としての仕事の全てを住民になった後もやることは恐らく無理なので、いくらか取捨選択をしなければやっていけないが、自治会組織や地域でのお祭り・イベント・消防団など、若者の力をガッツリ必要とする仕事には駆り出されること間違いなし…。笑
終わりに
地方都市であれば首都圏の暮らしぶりとそう変わらないので、そこまで地域のことに駆り出されることはないかもしれない。
僕が住んでいるような昔から地域で支えあってきた小さな集落、里山や漁村であればある程こういった地域の仕事は存在するんじゃないかなと思う。
地域の仕事の殆どがボランティアなので、仕事盛りの若者にとっては結構な負担。
それ故、地域の仕事・行事に若者が参加しないと言われるのもわかります。
(その前に、若い人に声をかける人がおじいちゃん・おばあちゃんだからというのが大きな原因なのですが。)
けれど、地域の活動にもちゃんと意味があるんですよね。
昔から地域の暮らしは地域の人の力で維持されてきた。
沢水を山から引っ張ってきたり、草刈したり、除雪をしたり…。
勿論、コンクリートの道路なんかは行政が維持管理していますが、大部分の生活インフラを自分たちで整備しているんですよね。
一見バカ騒ぎするだけの何の意味のない飲み会でも、地域で支え合うためのコミュニケーションの一つとしてある程度は必要だと思う。
今流行り?のトランジションタウンや三角エコビレッジサイハテだって、きっとそんな形である程度は自分たちの力で維持していると思うんですよね。
生産性がないこと、合理的でないこと、お金にならないことを排除してしまったら、温もりを感じる人間関係・コミュニティーもきっと構築できない。
そういう意味で、全てとまでは言わないまでも、できる限りは地域の仕事にも携わっていたいなぁ~と思いますよ。
せば、またの。