IT企業・SOHO必見!徳島県神山町サテライトオフィスの利用価値が高いと思うポイント
2015/01/29
徳島県の神山町という山あいのまちをご存じでしょうか?
沢山のメディアが取り上げている町であるので、「名前は聞いたことがある!」と言う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
神山町は主に芸術家とIT企業の誘致で成功している地域…
移住交流支援センターを経由しての移住者は、2010年度と11年度の2年間で23世帯46名を記録した。このうち、子どもは12人にのぼる。
今では15もの企業が神山町をサテライトオフィスの拠点として利用しています。
「いかにしてIT企業の誘致に成功したのか?!」を綴っている文章は沢山あるので巻末の参考サイトを見て頂くとして…
本ブログでは、サテライトオフィスの誘致などを仕掛けているNPO法人グリーンバレーの利用価値が高いポイントに絞ってご紹介していきます。
受け入れ体制編
将来、町にとって必要な働き手や職種の人たちを集めようという発想~ワークインレジデンス~
日本のどこの山村にも空き家は急増している問題に対し各自治体は、人口を増やそう!空き家を埋めよう!という施策を取ることが多い。
そのために移住希望者に対する優遇策(補助金等)を取ることも多々見られます。
神山が面白いのは、この空き家にはパン屋さん。この空き家にはウェブ関係を…というような形で業種を指定し、その業種に合わせて事前に改修して貸し出しているところ。
将来、神山にとって必要になるであろう働き手や職種の人を集めようという発想で取組んでいます。
そして、移住希望者が神山に馴染めるかどうかを住民の目で判断するということを行っています。
会社の採用面接みたいな感じですね。
『過疎だから、誰でもいいし来てくれ~~!』ということではなく、『過疎だからこそ、こういう人に来て欲しい!』というような強気とも取れる発想が出来るのも、民間主導で定住促進を行っているからこそだと思います。
インターネット環境の完備
徳島県が県内全域に光ファイバーを整備するという政策を進めたことで、町内の全住居で光回線が利用できるようになっている。
逆に、ネット環境が整っていなければ仕事にならないので、最低条件ではありますが、徳島県(に限らず他の地方でも言えることですが…)は、インターネットのヘビーユーザーが少ないため、ネット回線が混み合うことが無く、環境は抜群に良いそうですね♪
賃料の安さ
賃料の安さという面で言えば、どこの田舎でも同じような条件かもしれないが、ネットだけである程度仕事を完結することが出来るであろうIT業界にとっては、わざわざ家賃が高い都会にオフィスを構える必要はありませんよね。
元縫製工場を改修したコワーキングスペース(共同の仕事場)である『神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス』の設備には、Wi-Fiも含むインターネット環境は勿論、複合機、FAX、電話、プロジェクター/スクリーン、シャワー室まであります。
ネットで仕事をする環境としては十分なくらいの施設を利用することができる。
スタートアップであれば一人当たり一ヶ月1万円、企業であれば1人~10人までの同伴が可能で月30,000円。
ちなみに東京都内で事務所を構えようと思うと、安いところでも坪単価10000円程度で、事務所自体は小さくても15坪~20坪くらいなので、15~20万はくだらない…
勿論、最近流行の都内のシェアオフィスという選択肢もあります。
企業によって様々なプランが用意されているので用途に合ったサービスを利用することは出来ます。一人、フリーデスクで使用するのであれば、月20,000円程度で借りることはできそうです。
ただし、神山サテライトオフィスのカンパニープランのように、1~10人までは同伴OKのような気前の良い料金はありません。
料金だけを見てもランニングコストとしてかかる費用は都会より少なく抑えられますよね。
自然豊かな空間と地域コミュニティーから生まれる創造性
都会の人が、田舎に来るとリフレッシュするような気分になりますよね。
天井が高い青空の下で、左右に広がった田園風景や山々…
こういう空間に身を置くことで、創造性や幸福度、集中力が上がったという研究結果が増えているそうです。
Life Hacker引用
カンザス大学(University of Kansas)の研究者が近々発表する研究によると、手つかずの自然の中を歩き回ると、神経が安らぎ、脳の力が回復されるということです。Lehrer氏は、このことが創造性や幸福度、集中力を上げているのだと言っています。カンザス大学の研究では、たった3日間自然の中にいるだけで創造力のテストの成績が50%もアップしたそうです。もっと短い期間しかいなかった人でも、十分に良い影響を得られたとのこと。
実際に僕自身も山々に囲まれ、清流が流れる山形県大鳥という地域に住んでいるのですが、東京で仕事をしていた頃よりも時間に追われたり、精神的なストレスを感じることが少なくなりました。
創造力が上がっているかどうかは計ったことが無いのでわかりませんが、リラックスをして仕事に取り組めているという自負はあります。
試しに、晴れた日に木々がある近所の公園でブログ記事一本でも書いてみて下さい。
仕事がビックリするくらいはかどると思いますよ!!!
また、地域で暮らすことで、普段の生活の中で自然と親しむ機会があり、日常的に地域コミュニティーに参加する機会があります。
僕自身、日常的に会話する機会が圧倒的に増えました。
道ですれ違えば挨拶をするし、時々住民の方が事務所に遊びに来てくれます。
仕事とは直接関係ない人と普段から接することでリラックスするし、新しいニーズを発見する楽しさがあります。
そういった自然・コミュニティーの環境があるのも魅力ですよね。
以下は、TURNS Vol.6 教えて!神山での働き心地 ~「プラットイーズ」の「えんがわオフィス」のみなさんに神山のサテライトオフィスで働く魅力を聞いてみました~ から一部引用
Q:神山で働く魅力とは?
・オフィスに近所に人がふらっと遊びに来てくれたり、道ですれ違ったら自然に挨拶をしてくれたり、住民どうしの交流が息づいている。あたたかくて素敵だなと思います。
・東京だと出社したら100%仕事モードという感じで、集中できる反面、ときどき疲れてしまうことも。けれど、神山では少しゆとりを持って仕事にのぞめます。自然豊かな、リフレッシュできる環境も魅力です。
Q:二つの拠点があるメリットは?
・私も田舎出身ですが、田舎には仕事が無いから多くの人が東京に出てきている。けれど、神山サテライトオフィスの取組みが広がっていけば、地元で働ける機会も増えていくと思うんです。地元出身者を採用する「えんがわオフィス」の取組みをぜひ成功させていきたいと思います。
・一つの会社で、都会と田舎というまったく違う二つの環境で働けるのはとっても恵まれたことだと思います。神山での経験を、東京の仕事にも生かしていきたい。たとえば、本社では近くにみんながいるので、これまで以上にコミュニケーションを密にとっていこうと思います。
支援制度編(とくしまサテライトオフィスプロモーションチーム)
徳島県内にサテライトオフィスを新規開設する事業者に対する金銭的な支援制度。
支援については、NPOグリーンバレーからではなく、徳島県からの支援制度となっています。
クリエイティブ系、SOHO系に対する補助金
Web制作・デジタルコンテンツ作成どのクリエイティブ関係、eビジネス、広告、コンサルティングなどのSOHO(Small Office Home Offeice)関係の事業者を対象に、徳島県内の限界集落に5年以上常駐もしくは在住を希望する人に対し、補助金を出しています。
補助金の内容として、適用期間は操業開始から3年以内とはなっていますが、事務所を借りる賃料の1/2(限度額:30万円/年)、通信回線使用料の1/2(限度額:100万/年)となっております。
情報通信関連者への補助金
コールセンターやデータセンターなどを行う事業者を対象に、新規地元雇用される者が操業開始の日から1年以内に10人以上であることが見込まれることを条件に補助金を出しています。
補助内容としては…
新規地元雇用増に対する助成は、従業員には70万、パートには40万円。
専用通信回線使用料・事業所賃料は1/2(限度額2000万円)
リース経費は1/2(限度額:1000万円)
その他、徳島県内に移住しようとする人を対象に耐震化工事・リフォーム工事を行う場合の支援もあります。
補助対象工事費には、工賃の1/2以内(限度額:40万円)が補助されます。
上記の支援制度について、全ての条件を考慮し申請したからと言って全てが通るわけでは無いと思いますが、検討してみる価値は高いと思います。
また、支援制度の詳細は上記が全てではないので、下記サイトにてご確認ください。
助成金制度 / 徳島サテライトオフィスプロモーションサイト Tokushima Working Styles
また、本件で書いた記事については、参考記事を元にまとめた内容でありますので、ご検討の際にはNPOグリーンバレーさんや、とくしまサテライトオフィスプロモーションチームさんに問い合わせをしてください♪
参考記事・サイト
- 雑誌 TURNS Vol.6 教えて!神山での働き心地 ~「プラットイーズ」の「えんがわオフィス」のみなさんに神山のサテライトオフィスで働く魅力を聞いてみました~
- 田舎で起業ラッシュのなぜ(日経ビジネスオンライン)
- 山間の村に最先端の芸術家やIT起業家が続々移住?“創造的過疎”を掲げて地域再生を図る神山町の先見性(ダイアモンドオンライン)
- 反常識、イケてる人が目指す過疎の町 奇跡のNPO、グリーンバレーの創造的軌跡(日経ビジネスオンライン)
- イン神山
- 神山バレーコンプレックス
- とくしまサテライトオフィスプロモーション