ひろろーぐ

小さな山村で暮らしながら、地域社会、民俗、狩猟、採集について考察・再定義するブログ

「自治会費?共同作業?何それ?美味しいの?」という方へ。田舎暮らしを始めたら"暮らし"が大きく変わりますよ。

2015/01/29

かれこれ1年以上集落…というところに住んでいるのですが、都会育ちの僕にとってはやっぱり集落に住むというのは特別なモノがあります。

 

同じ地域に住んでいるだけだというのにおすそ分けを貰うし、仕事を頼まれることもある。

家の周りの草がボーボーだと、「早く刈れよー」と言われることもあるし、「ご飯食べにおいでー!」と言われることもある。

 

まぁ今までにこんな経験はありませんでしたから、最初は驚きの連続でしたよね。笑

この親密な繋がりが「メンドクサイから嫌だ!」という人の話もちらほら聞きますが、僕は嫌いじゃないです。

 

そこで今回は、「集落に住むとこんなことあるよー!」という田舎あるあるをご紹介していきます。

 

全国津々浦々、どこでも日本の田舎は同じだは言い切れません。

鶴岡市でも中心市街地では、「都会暮らしと同じようにお隣さんもよくわからんし、別に干渉もされない…。」といった感じらしい。

でも、少なくとも集落と名がつく地域は同じような仕組みで動いているのかなと思います。

 

ではいってみましょう。

 

自治会費

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自治会組織を運営していく上で必要なのがこの自治会費。僕の住む大鳥地区の繁岡集落(自治会)というところでは、一戸(一軒)当たり一か月3,000円。年間36,000円です。

 

都会の自治会費とかに比べれば、比べ物にならないくらい高いです。

都会だと年間500円とか、そんなレベル。というか、アパート・マンション暮らしの人はそんなものすら払ったことがない人が多いんじゃないでしょうか。

 

金額だけで単純に比較すると、「そんなところ住んでたまるか!」と思うかもしれません。

最初は僕もこの金額の高さに絶望しました。

 

ただ、このお金が何のために使われているのかが一年通して少しずつ明らかになっていく中で、納得できなくはないなぁ~とも思います。

 

自治会費は集落維持のために使われるお金。

例えば、集落の集会場的な場所である公民館の光熱費やお盆のお祭り、年頭会、悪魔払い、夏・冬の運動会・敬老会などの集落内のイベントに使われている。僕もイベントに参加しているので恩恵というか、ある程度の対価は受けています。他にも公民館の蛍光灯を変えたり、神社の補修をしたり…。

※これらは自治会費のみで全てを補っているわけではなく、行政交付金なども少し入っています。

 

とはいえ、今でも「もっと自治会費を安くして運営できないものかなぁ…」と思ったりもします…笑

 

回覧板

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昔ありましたよね。回覧板とか連絡網とか。

僕が大阪に住んでいる時、小学校はもっぱら連絡網でした。

いつからか、個人情報が重視されて連絡網がなくなってしまいましたが…。

 

集落では今でも回覧板があります。

 

回覧板の中身は、市役所からのお知らせだったり、小学校のPTAのことだったり、寄合や飲み会の案内だったり…。その他、集落全体に情報として回して欲しいことを回覧板に載せて回します。

 

実はこの回覧板の仕組みがとても重要。

 

みんなに知っていて欲しい情報が、ある人には届いていないということが非常に問題になります。

例えば、会社の営業部なり、経理部なりでの飲み会を企画して、メールを同じ部の人に一斉送信したつもりが宛先・CCから抜け落ちていて、情報が届いていない人がいたら、参加の可否以前にその人はふてくされてしまいますよね。

それと全く同じ。地域ではメールが回覧板になっただけです。

「あの人は参加しないだろう…」という人は組織や団体に一人や二人はいるものですが、情報だけは届けて誘わないと孤立してしまいます。

 

だから、回覧板というアナログな形式ではありますが、回ってきて確認したら次に回す。という行為はとても大切。

次に回すということは、自分はちゃんと確認したという証明になりますから。ここがメールと決定的に違うところ。

足を運ぶのは面倒ですが、回した時に何気ない話を楽しんだり、おすそ分けを貰ったりすることもあるので、顔を見せて情報を届けると言うのも回覧板の良いところですよね。

 

寄合(よりあい)

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寄合と言われてもなんのことだかサッパリわからない方も多いと思いますが、平たく言えば井戸端会議です。

連絡ごとや相談事、会議にかけることなどを話し合う場です。

 

例えば、「家の近くの電柱が傾いてきて危ないから直したい!」とか「神社の鳥居の塗装が剥げてきたから自治会費を使って塗りなおしたい!」とか、「もえるごみ回収日に資源ゴミが置かれていたからみんなも気をつけてくれ!」とか「今年の集落内での納涼会は9月にやろう。」とか…。

 

生活や集落内のイベントに関わること全般ですね。

 

その年々によっても違うと思いますが、大体年6回くらいは開かれています。

寄合も招集されたら基本的に全員出席し、出てくればいいのは一戸(一軒)に一人。また、用事があるときは事前に断っておけば大丈夫です。

 

共同作業

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みんなの共同で管理すべきところ、共有の財産のような場所をみんなで管理するために共同作業を行います。これも一戸(一軒)につき一人出席が原則。

僕の集落の共同作業は、大体年に8~9回。

具体的には河川のゴミ拾い(5月)、道路脇・神社の草刈り(6月・8月)、神社のノボリ立て(8月のお盆。神社に神様を迎えるために立てる)神社の雪囲い(11月)、神社の雪下ろし(2月頃)、ごみステーションの雪かき(12月~3月。当番制。一人2~3回)、神社の雪囲い外し(4月)です。

 

一回の作業では、大体は朝6時に始まり、一時間くらい作業をして終了。共同作業は平日でも週末でも行われるので、終わった後にそれぞれ仕事に出掛けることも良く見る光景ですね。

 

ただ、少し厄介なのが出劣り(でおとり)という仕組み。

これは、朝の共同作業に参加しなかった人が、罰金のような形で自治会費にお金を収めるという仕組み。僕の集落では一回につき1,000円。

この仕組みを今も採用している集落は全国でも結構多いんじゃないでしょうか。

 

僕の個人的な意見としては、お金じゃない対価、例えば労働とかで解消できないものかなぁ~と思いっています。

お金で解決するのが何も考えなくて良いので楽なんでしょうが、お金とは別の解消方法もあってもいいと思う。

共同作業に参加できなかったらお金か、そうじゃない方法を選択できる、みたいな。

 

ただでさえ山間部に生きる人の収入は都会よりも少ないことが殆どなので、余計なお金を極力払いたくない。

「そんなこと言っていないで共同作業に出ればいいんだ!」というおじいちゃんの”激”が飛んできそうですが、朝一番から予定が入っていて参加できないことだってある。

それを無りくりお金で解決するのはちょっと辛い。

 

この共同作業に出ずに、出戻りを回避する方法が今のところ一つだけあります。

それは、共同作業より前に一人分の作業をやっておくということ。都合がつかなく、共同作業に参加できないとしてもこれで出戻りが回避できます。

※勿論、自治会長には声を掛けておかないといけません。「作業をした」という事実がとても大切なので。

 

その他:交通安全・おすそ分け

■交通安全

交通安全週間みたいなので、街頭にたって黄色のベストと帽子をかぶって交通安全の啓蒙活動を集落の人が行います。こういうのはてっきり警察がやることだと思っていました。笑

僕はまだやったことはありませんが、街頭に立つ人はちょこっと日当が出るみたいですね。

その反面…というわけではないですが、住民の人は年間で500円を払います。

 

■おすそ分け

これは本当に有難い。お隣さん、集落内での付き合いが多いからこそコミュニケーションみたいな感覚で野菜やらお刺身やらが貰える。菜園をしていれば野菜の種とかも貰う。

「作り過ぎちゃったのでおすそ分けしようと思って~♪」みたいな昔のドラマのノリ。これ、本当に最高です。

なんだかんだ一人では生きていけないし、集落の人に生かされているな~と強く思うのはこの部分です。

依存でも献上でもなく、温もりの交換。

互いに対等な立場であり、同じ地域で生きている・同じような方向で活動していることが実感できるからこそ生まれるものだと思います。

 

終わりに

僕も横浜から山形県鶴岡市大鳥に引っ越してきて、最初は驚きの連続でした。

自治組織として「これってどうなの?」って思う部分もあるし、「いいねぇ♪」と思う部分もある。

つまりは、個人的な感覚で「都会がいい。」「田舎がいい。」というのはありますが、田舎が劣っているということはありません。どっちも見方によって良い面・悪い面があります。

 

ただ、田舎が残念なのはそういった裏側・生活者目線の情報がまだまだ表に出てないので、イメージだけで判断されてしまうことがあるということ。

生活やお金に関わる大切な部分なので、そこは嘘偽りなくちゃんと伝えていくことが大切なんじゃないかなと思います。

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僕が住む集落の総会資料

 

どこの集落もそうだと思いますが、毎年一回、総会が開かれ、収支決算がちゃんとされているので、どんなふうにお金が使われているかもわかるようになっています。

集落と名のつくところへの移住を検討している方は、事前に集落事情について情報収集してください。移住・定住の中間支援を行っている団体・組織があれば良いですが、ない場合はまずは管轄の市役所に聞いてみるといいかもしれませんね。

 

せば、またの。

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